ロジェストヴェンスキーの「スペードの女王」の映像 その2

チャイコフスキー 歌劇「スペードの女王
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮 パリ国立オペラ管弦楽団(2005)
ウラディミール・ガルーシ
ハスミク・パピアン
イリーナ・ボガチェーワ
ニコライ・プーシキン
イリーナ・チスチェコヴァ


以前

ムソルグスキーの「ボリス・ゴドゥノフ」は100種近くの録音が確認できるが「エフゲニー・オネーギン」はたった20数種しかない

と書いたが、この「スペードの女王」はさらに少なく10数種しかない。しかし、特異な演出によりファースト・チョイスには向かないであろうこの映像を見てさえも思うのは、それではあまりにももったいない、ということ。
チャイコフスキー自身が「叙情的情景」と呼んだ「エフゲニー・オネーギン」に比して、明らかに力強いドラマティックさに満ちているこのオペラは、もっとソフトがあってしかるべきであるし、人口に膾炙されてしかるべきだと思う。