チャイコフスキー 交響曲第2番「小ロシア」(第1楽章初版付き)
プレトニョフ指揮 ロシア・ナショナル管弦楽団(2001)
というわけで、チャイコフスキーの交響曲第2番の初版も聴いてみたかったが、第1楽章の初版も併録されているCDがあったので入手。(実際はだいぶ前だが)
本来は全楽章初版が望ましいが、第1楽章がもっとも変更が大きい(というか別曲)ということで、たぶん、こういう形式になったのだろう。
作曲家仲間や指揮者、音楽評論家まで、実はこの初版の方を評価しており、改訂版を推すのはチャイコフスキー本人のみ、という状況だったらしい。
さて、その第1楽章を聴き比べてみると、先日
「第1楽章主部は、かの「悲愴」の先取りのようなダイナミックさと複雑さ」
と書いたのだが、実は、初版を交通整理してよりすっきりした結果が改訂版だとわかる。
初版はより、複雑なのだが、それよりもロシア的泥臭さやくどさの印象が強い。
そこらへんが、当時のチャイコフスキーと周りの人間との評価の違いの原因なようが気がする。
一般には改訂版の方がわかりやすいことはたしか。
次に、先日のシモノフ盤と聴き比べると、プレトニョフ盤は若干速めのよりすっきりした演奏で、この曲の本来のテンポはプレトニョフ盤の方だとは思うのだが、しっとりしたシモノフ盤の方を個人的にはとる。