ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
ショルティ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1975)
ノーマン・ベイリー:ザックス
ルネ・コロ:ヴァルター
ベルント・ヴァイクル:ベックメッサー
ハンネローレ・ボーデ:エヴァ
クルト・モル:ポーグナー
アドルフ・ダラポッツァ:ダーフィト
ユリア・ハマリ:マグダレーネ
他
ショルティのワーグナー・BOXである。当初はスルーするつもりだったが、ショルティはこの録音が気に食わないので、後年再録音した、という話を見て、ショルティが気に食わないのなら聴く価値があるだろう、というへそ曲がり精神で聴いてみる(爆)
今までさんざん「ショルティには歌心が無い」と書いてきたが、この演奏は別人のようだ。そして何よりも、ウィーンフィルの美しさが圧倒的である。
ネット上で「これはショルティのマイスタージンガーではなく、デッカとウィーンフィルのマイスタージンガーだ」と書いていた人がいたが、そうであるなら、この演奏がショルティらしからぬ、いかにもウィーンフィルらしい雅な歌心に満ちていることもわかるし、ショルティが気に入らなかったので再録音をした、というのもわかる。
歌手陣は間然するところがないが、まさかのヴァイクルのベックメッサーが予想以上に良いのは意外だった。
これは、ショルティ名義のオペラとしては、数少ないのお勧め盤の一つであろう。