フォーレ「レクイエム」
クリュイタンス指揮 パリ音楽院管弦楽団(1962)
エリザベート・ブラッスール合唱団
ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
ヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレス(ソプラノ)
コルボ指揮 ベルン交響楽団(1972)
聖ピエール・オ・リアン・ド・ビュール聖歌隊
アラン・クレマン(S)
フィリップ・フッテンロッハー(B)
コルボ指揮 ローザンヌ器楽・声楽アンサンブル(1992)
Magali Dami(S)
ピーター・ハーベイ(Br)
フォーレは後期ロマン派と近代音楽の橋渡しをした、という事で「レクイエム」は非常に静謐かつ美しい曲で、最初は何と言う事もないような曲に聴こえるが、聴いてゆくとだんだんはまってくる。近代音楽は、現代のポピュラー音楽の萌芽がみられたりするのだが、この曲にも節々にそういった部分があるのも親しみやすさにつながっているのだろう。
今回聴いた3種はどれも名演だと思う。
クリュイタンス1962年盤は、歌手陣がオペラ歌手なので若干オペラ臭いが、それはあくまで比較しての事で、この録音だけ聴いている限りはそう気になるものではない。
コルボの1972年盤は、ソプラノがボーイ・ソプラノなので、より宗教音楽的静謐さが強い。
コルボの1992年盤は、テンポが若干速めなのが好みの分かれるところだろうが、1972年盤に劣っているわけではない。
この曲は、ソナタ形式だとか、対位法だとか、和声法だとか、クラシック的理屈とまったく無関係に感動できる曲で、ある意味クラシックを超越しているかもしれない。そこはかとなく東洋的な薫りがすると思うのは私だけだろうか。
こうなると他のフォーレも聴きたくなるし、レクイエムもいろいろ聴きたくなるなあ。
調べたら、ジャクリーヌ・デュ・プレの小曲集にフォーレのエレジーが収録されているから聴いてはいるはずだった(汗)もう一回聴いてみよう。