Ordo Virtutum(典礼劇「諸徳目の秩序」)(2013)アンサンブル・ベルカント

Ordo Virtutum(典礼劇「諸徳目の秩序」)(2013)アンサンブル・ベルカント
「オルド・ヴィルトゥトゥム」は複数の演奏を聴いてみたかったので、早くからこの録音は入手していた。
しかし聴いてみてびっくり。とても同じ曲とは思えない。まずわずかに打楽器の使用はあるがほぼアカペラであり、音符の切り方が異常であり、唸り声、ささやき声等の音色の使用、意図的な音程外し等々、まるで現代音楽か前衛演劇のよう。
慌ててネットで情報を拾うと


創設者のディートブルク・シュポアは「客観的な歴史の忠実な再現者であることは放棄し、架空の中世作曲家の代わりになるべく演奏する。」と語っており

という文を発見。最初はこういう演奏を指示した楽譜でも残っていたのかと思ったがとりあえず一安心。確かに内容をドラマティックに表現するにはこういう方法もありかもしれない。いや、ドラマティックというよりは、おどろおどろしいの方が近いか(笑)
図らずも両極端の演奏が聴けたことはラッキーだったが、最初はオーソドックスな演奏を聴くべきで、ファースト・チョイスには絶対に避けるべき録音である。