映画「メッセージ」の原作「あなたの人生の物語」を含む中短編集であるが、まずはその表題作「あなたの人生の物語」(ネビュラ賞受賞)と、デビュー作でやはりネビュラ賞を受賞した「バビロンの塔」を読んでみる。
正直、期待が大きすぎたかもしれない。
発想も、本職がテクニカルライターという事もあろうが、その発想を展開させる手法も、さらに構成も実に見事である。見事ではあるが、個人的にはそれにプラス・アルファを期待してしまっていた。
それは、フィリップ・k・ディックであったり、アーシュラ・K・ル・グウィンが持っている、作品の一つ奥にある何かなのだ。
つまりは、秀逸なアイデア・ストーリーではあるが、それ以上でもそれ以下でもない底の浅さが目に付く。(落ちも途中で気付くし)
これはあくまで、個人的に勝手にこの人に期待してしまっていたせいなので作者のせいではない。
さて映画「メッセージ」はどうなっているのかな。