Curved Air "Lovechild"(1973:1990)(と、ソーニャ・クリスティーナのソロ)

Curved Air については"Air Cut"(1973)までしか感想は書いていなかったが、実はその後 "Midnight Wire" (1975) "Airborne"(1976)も入手していた。感想を書かなかったのはたぶんピンとこなかったせいだと思う。"Airborne"は元コロシアム~グリーンスレイドのトニー・リーヴスがベースだったので期待をしていたが、当時のプログレバンドが皆打ち当たった壁、つまりはプログレ・ブームが去った後のポップスやAORとの妥協策が裏目に出ているパターンで、どっちつかずの作品になっていた。
そんな中、"Lovechild"というアルバムは、"Air Cut"発売後、1973年に録音された次のアルバムのためデモ演奏の音源で、メンバーの許可なく1990年に発売されたものだが、入手当初は"Air Cut"のメンバーだからだと思うがたぶん聴き流していたのだろう。
今回、思い立って久々に聴いてみたら、なんとヴォーカルのソーニャ・クリスティーナの単独作詞作曲の作品が8トラック中4トラックもあるのにまず驚いた。
Curved Airは、元々ダリル・ウェイ、フランシス・モンクマンが主導権を握り、その後も個性的なメンバーのぶつかり合いであったことは前にも書いた。なので、ソーニャが曲作りに参加したのは実は4作目の"Air Cut"からで、それも主に作詞担当、作曲も行っていたのは1曲のみであった。
それが、この"Lovechild"では4作品、というのは当時のバンドの事情もうかがえる("Midnight Wire"ではダリル・ウェイが復帰、他のメンバーは総入れ替え)
しかし、この4曲が実にいいのだ。Curved Airっぽく無いと言えば言えるのだが、激しい曲でさえしっとりとした情感に溢れている。
ソーニャ・クリスティーナは1980年からソロアルaバムを何枚か出しているが、"Lovechild"の4曲を聴くと、そっちに期待したくなってきた。

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