ジャパンについてつらつら思う事

ジャパンの5枚目にして最後のスタジオ・アルバム「錻力の太鼓」は当時からあまり好きではなかった。なぜだろう、と思ったが先日の「その後のジャパンの曲構成の3本柱」という事を書いてわかった気がした。

https://hakuasin.hatenablog.com/entry/2022/02/03/120401

3rdの「クワイエット・ライフ」で3本柱が確立し、4thの「孤独な影」はその完成形である。しかし5thの「錻力の太鼓」は「ジャパン流エレクトリック・ディスコ」が無くなり、「ジャパン独特の奇妙なリズム」に特化したアルバムなのだ。で、実は私は「ジャパン流エレクトリック・ディスコ」とアンヴィエント曲が好きだったのだ、とわかったのだ。
しかし、別の言い方をすれば、ジョルジオ・モロダーの影響も抜け出して、真のジャパンのオリジナリティが確立したのが「錻力の太鼓」だったのだ。
ミック・カーンが当時を振り返り、ヴァージン・レコードもマネージャーも匙をなげてしまい、そのせいでスタジオで本当に自分たちのやりたいようにできたのがこの「錻力の太鼓」だったと語っている。それがラスト・アルバムであり、また最も商業的に成功したアルバム、というのも皮肉な話だ。
しかし、好みと言うのはいかんともしがたい。未だに私にとってのジャパンのベストは「クワイエット・ライフ」であり、僅差で2ndの「苦悩の旋律」が次にくる。やはり収録されている「熱きローデシア」「郊外ベルリン」「愛の住人」が好きなのは、いかんともしがたい。