ドルフィン・ブラザーズ「キャッチ・ザ・フォール」(1987)(スザンヌ・マーフィー、そして飯尾芳史)

待望の入手であるが、事情説明があいかわらず長くなる。
Jansen/Barbieri/Karnの"Beginning to Melt"については何回か書いているが(例えばこちら)

https://hakuasin.hatenablog.com/entry/20040912/p1

私が大好きな"The Wilderness"は以前貼り付けた。

https://hakuasin.hatenablog.com/entry/2022/04/05/073957

このアルバムは上記で書いたが、すべての曲のメンバーの取り合わせが違っていて、この曲はドルフィン・ブラザーズ("The Dolphin Brothers")名義となっている。そのドルフィン・ブラザーズというのが、ジャンセン&バルビエリが他のミュージシャンを呼んでバンド形式のアルバムを発売した時の名義で、それがこの「キャッチ・ザ・フォール」なのである。
"The Wilderness"は曲もいいのだが、ジャンセンの奥さんであるスザンヌのボーカルが非常に良くて、しかしこの曲以外に音源が無く、なんとか他の曲も聴いてみたいと思っていたら、実はこの「キャッチ・ザ・フォール」で歌っているという事で、長年入手を望んでいたが、高値がついていたりタイミングが合わないで今まできてしまった、というわけだ。しかも日本盤が入手できた。
ちなみに、スザンヌは当時はまだ奥さんではない(旧姓のマーフィーでクレジットされている))バンドに呼んだボーカリストに手をつけたのか!?ジャンセンよ(笑)
ところが!である。ドルフィン・ブラザーズ名義の"The Wilderness"のリード・ボーカルがスザンヌだから、こっちのドルフィン・ブラザーズのリードボーカルスザンヌだと思い込んでいたら、なんとリードボーカルはスティーヴ・ジャンセンで、スザンヌはバックボーカル、しかもほんの数曲でちらっと歌っているのみであった(涙)
ティーヴ・ジャンセンのボーカルも今まで所有しているCDで何曲か聴いている。兄のデヴィッド・シルヴィアンのアクを抜いたようなボーカルで全然悪くないのだが、あまりにもスザンヌへの期待が大きすぎて拍子抜けしてしまった。
音楽的には、ジャンセン&バルビエリのアンヴィエント感を土台にしたAORポスト・ロックといった趣きで、"The Wilderness"のようなジャズ・テイストは無いものの、非常に好みであるので、愛聴盤になるであろう。
しかし、"The Wilderness"以外にスザンヌのリード・ボーカルを聴く事はできないんだろうか?いや、未だチャンスはある。ジャンセン&バルビエリ名義の"Stories Across Borders"(1991)にスザンヌが参加しているらしいのだ。このCDはけっこう高値がついているので、今まで購入を躊躇していたのだが、もうそんな事は言ってられない。すぐとは言わないが、余裕ができたら購入するつもり。
ちなみに
さらに、この「キャッチ・ザ・フォール」は、なんとギターがピーター・ガブリエルバンドのデヴィッド・ローズである!どういうつながりだったんだろう!
さらにちなみに、プロデュースが"Jansen/Barbieri amd iio"となっている。解説のよるとYMOのエンジニアの飯尾芳史氏とのことで、当初エンジニアとして参加したが、レコーディング中にジャンセン&バルビエリの信頼を得て、共同プロデュースに格上げされたのだとか。この話も凄い!っていうか日本盤が入手できてよかった。