"Blue Box"である。
なんど紙ジャケットの裏には日本語で曲名が書いてある。わざわざ日本盤の紙ジャケをこのBOXで採用したのか、世界的にこの日本語の入ったジャケットで販売したのか。BOXのこのレコードの解説の冒頭に「1970年代初頭の日本は、世界で二番目のレコード市場であった」とわざわざ書いてあるところを見ると後者かもしれない。なんか凄いな。
さて、このバンドはボーカルを除けば基本的にスリー・ピース・バンドである。こういうバンドのあるあるであるが、ライブでギターがリードを取るととたんに音が薄くなる、という欠点があり、かのレッド・ツェッペリンも(ジョン・ポール・ジョーンズがキーボードを弾いてない限り)逃れることはできなかった。
しかし、このバンドは全くそんなことがなく、どうしてだろうとよく聴くと、ベースが非常に強いトレブルと低い音が同時に出ており、まるでセカンド・ギターの代用のような効果を出しているせいだった。
見慣れないデザインなので画像検索してみたら(便利な時代になったものだ)ダンエレクトロというアメリカのメーカーのようで(ちなみにギターもたぶんそう)こんな音がするなら弾いてみたいな。
ベースの話が長くなったが、このアルバムはこのバンドが単なるヒット曲バンドではなく、非常にタイトでヘビーなライブバンドであることを証明している。
あいかわらずインスト曲があるが、ちょっとベンチャーズっぽいな、と思ったら「クラシカル・ガス」というメイソン・ウィリアムズの1968年のヒット曲で、やはりベンチャーズも1969年にカバーしていた。ちなみにショッキング・ブルーのこの曲はこのライブでしか聴けない。
また、次のアルバムに収録される「タバコ・ロード」(これもカバー)も演奏されている。ジェファーソン・エアプレインもカバーしているが、そもそもギターのロビー・ファン・レーベンはジェファーソン・エアプレインみたいな事をやりたくてマリスカをスカウトしたそうだから、その関係かな。
こちらがトレブルの効いたベースの聴ける「ヴィーナス」
最初のアナウンスは多分ウェザー・リポートの"I Sing the Body Electric"の"Vertical Invader"のアナウンスと同じ人かな。