先日「篁物語」「平中物語」「浜松中納言物語」を収録したものを注文した、と書いたが、届いてみたら現代語訳ではなかった(汗)上段に難しい所の現代語訳はあるものの、これは腰を落ち着けてじっくり読まねば。
それはさておき、この本は岩波書店の日本古典文学大系の中の1冊なのだが、今はどうかわからないが、昔はこういった全集ものは1ヵ月ごととかに発売されて、「月報」とか「通信」等のタイトルの小冊子的な付録がついて、執筆者(翻訳者、校注者等)についての思い出を執筆者以外が書いたり、複数執筆者の対談が載っていたりしたものだ。
で、今回ユーズドで入手したのだが、その「月報」がちゃんとついていて、いきなり三島由紀夫の名前があってびっくりした。
調べたら「浜松中納言物語」を校注した松尾聡という人が三島由紀夫の恩師らしく、三島由紀夫が恩師の思い出を書いていたのだ。
実は三島由紀夫の「豊穣の海」が「浜松中納言物語」を典拠としている、という話も最近知って、それもあって「浜松中納言物語」を読んでみたかった、というのもあった。
で、この月報にも「豊穣の海」について触れられているかと期待したがそれは残念ながら無かった。
しかしこの文章は、たぶん三島由紀夫全集とかでないかぎり読めないと思うので、大変良い買い物をしたと思う。
三島由紀夫も松尾聡を通して「浜松中納言物語」を知ったのだと思うので、松尾聡無ければ「豊穣の海」も無かったかもしれない。うーん、なんか感慨深い。