コンサート・フォー・ジョージで改めて気づいたこと、気づかされたこと

最近いろいろなミュージシャンやアルバムについての海外ウィキペディアをつらつら見ていたりするのだが、ジョージ・ハリスン追悼の「コンサート・フォー・ジョージ」で改めて気づかされたことがあった。
リンゴ・スターがジョージとの共作である「思い出のフォトグラフ」を歌う前に「歌詞の意味が変わってしまった」と語っていたのだが、最初に見た時にはぴんと来ていたなかった。しかし、そもそもこの曲は去って行った恋人の写真を見ながら懐かしんだり悲しんだりする感情を歌ったものなのだが、それが亡くなったジョージに対する思いに歌詞の意味が変わってしまった、ということを言っていたのだった・・・・
で、改めてそのシーンを含めてDVDを見返したのだが、そこでまた気づいてしまった。
リンゴの後に登場したポールは何曲かリードボーカルをとるのだがそのうちの1曲に「オール・シングス・マスト・パス」がある。実はこの曲は、レット・イット・ビー時代にジョージがビートルズ用の曲として提案していたのを、ジョンとポールに却下されたという経緯がある。そんな事が続いてその後の3枚組レコード「オール・シングス・マスト・パス」の作成と大ヒットにつながったりするのだが。
またクライマックスとして「ワー・ワー」をほぼ全参加メンバーで演奏しているのだが、ポールもピアノとバック・コーラスとして参加している。実はこの曲はレット・イット・ビー・セッションであまりにもポールが自分のギターや全体の進行等に口出しをしてくるのでジョージが頭にきていったんビートルズを脱退する、という事件にまで発展したのだが、その時の事を歌ったのが実はこの「ワー・ワー」なのだ(ワー・ワーというのはそれこそ日本語でもワーワー言うなとか、やいのやいの言うな、みたいなニュアンス)
この二つの事情はあまりにも有名なので、当然当事者のポールも知っているはずである。
それがわざわざこの2曲を選んで歌ったり参加したりしているのはどういうことか・・・・
で、気づいたのが、ポールの彼なりのジョージに対する贖罪意識があったのかもしれない、という事。何回か書いたが、ポールのジョンやジョージに対する仕打ちから、個人的には(ミュージシャンとしては別として)嫌いだったのだが、ちょっと見直したかも。

字幕は無いけれど、1分ぐらいのところで「意味が変わった」と言っている。

youtu.be