マイク・ブルームフィールド&アル・クーパー「フィルモアの奇蹟」(1969)

以前「若い頃に聴きそびれていた音楽の回収」という記事を書いたが

https://hakuasin.hatenablog.com/?page=1738965308

これの大部分は、何回か書いている渋谷陽一の「レコード・ブック」を昔読んだとき、気にはなるが、当時の私はブリティッシュ・ハードやプログレを聴いていたので、金銭的な理由で聴くことができなかったレコードがいっぱいあって、それも元になっているのだが、その最たるものがこの「フィルモアの奇蹟」である。検索してもらうとわかるが、二人の顔のアップのイラストはインパクト抜群であった。
さて、大昔はそれこそセッションでよくブルースをやったりもしたが、最近は進んでブルースロックを聴くこともあまりなくなった。聴いている曲の中でブルースロック的展開があったりすると、ちょっとうんざりすることもあった。というのは、やはりブルースロック的展開というのは安易というかお手頃というか、逃げた感が漂ってしまうのだ。
しかしである。やはり本格的なブルースロックは次元が違う。もう高級なジャズを思わせるような昇華された世界である。

上記で渋谷陽一

60年代のアメリカ・ブルース・ロックの頂点を感じさせ、やはり歴史に残る作品で、ロックにおけるインプロヴィゼーション神話をそのまま体現したアルバムである。

と書いているが、この一文に尽きると思う。
それこそ、マイルズ・デイヴィスのアガルタとかに匹敵するのではないか。

実は、このアルバムは、この2名プラススティーヴン・スティルスの「スーパー・セッション」の続編なのでこうなると「スーパー・セッション」も聴かねば。