やなせたかし「アンパンマンの遺書」と手塚治虫

図書館で見かけて朝ドラも見ているので借りてしまう。いろいろと勉強になったが手塚治虫についてびっくりしたことがあった。
私の世代にとっては手塚治虫の「新宝島」と言えば少年漫画に新しい道を開いたエポックメーキング的な名作だ、ということは少年漫画の歴史の常識としいて刷り込まれている。
ところがこの「新宝島」出版当時(本の中でははっきりと名前が記されているが)ある先輩漫画家が手塚治虫に以下のような言葉をかけたという。

「これは邪道だ。こんな漫画が流行したら一大事だ。描くのはあんたの自由だが、あんたひとりにしてもらいたい」

しかしトキワ荘に後の有名漫画家が集ったように、「新宝島」は後世に絶大な影響を与えた。
つくづく新しいことを始めた人間はその時代には理解されにくいものなのだと思う。