ジョン・ノーマン「ゴルの無法者」(1967)

第1作では前回も書いた謎の影の支配者である神官王に強制定期に地球から惑星ゴルに連れて来れれた主人公は大活躍の末に自分の属する都市(ゴルでいうところの国家)を守り愛する人と結婚するという大団円直後に再び神官王に強制的に地球へ戻される。
そしてこの第2作では数年後にまた強制的にゴルに連れて来れられるのだが、自分が守った都市は滅ぼされ、妻も行方不明、その理由も経緯も謎のまま話が進んでいくので個人的には落ち着かない事はなはだしい(が、まあそれが作者の狙いなんだろう)
他称(自称でなく)ロマンティストの私はこの最初の妻がいつか出てきてくれないと困るのだが、どうももう2度と出てこないらしくて、そこらへんが4巻でやめておこうと思った理由にもなっている。
そして例のSMポルノ、男尊女卑描写であるが、主人公は元々地球人であるからこの星の奴隷制にも男尊女卑にも否定的あスタンスはとっている(が、これは明らかに作者が張った予防線であろう)しかし奴隷にされる女性のマゾヒスティックな心情を肯定的に描写したり、今回の舞台である女王都市について、他のゴルの都市と違って女性に権利を与えてしまった為に長い年月をかけてゆがんだ社会が作られたことをほのめかす描写もある。これはさすがにまずいだろうというレベル。で、実はこれが作者の本音であろうということは容易に想像できる。なぜならここらへんは無くても作品的には何の問題もなく成り立つからだ。
さて、3巻はいよいよ上記で書いた都市消滅の謎を解くため、愛する妻の行方を知るため主人公は神官王と対峙する(らしい)