セイバーヘーゲン「バーサーカー 赤方偏移の仮面」

先日「腰を落ち着けてポーを読もうかな」と書いたように今度は「赤死病の仮面(我々の時代は「赤き死の仮面」)を読んだらSFでセイバーヘーゲン「バーサーカー 赤方偏移の仮面」というのを所有しているのを思い出した(こうやってどんどん脇道にそれていくのだ・・・「ゴードン・ピム」を読んだらラヴクラフトの「狂気の山脈にて」を読んでしまう事を予言しておく(笑))
だぶん名作と言われているので買ったはいいものの思っていたのとは違っていた(多分、フィリップ・K・ディックの「変種第二号」的な世界を当時は求めていたんだと思う)のでろくに読みもせずにそのままになっていたと思う。
で、ポーの「赤死病の仮面」のパロディ的な表題作(連作短編集なので)だけでも読み直そうかなと読んでみたら、どうも前後で登場人物やストーリーに繋がりがあるらしく、これはちゃんと全部読まねば、と読みとおしたらさすがに名作と言われるだけあって面白かった。
太古の宇宙文明どうしの戦争の為に命あるものすべての殲滅をプログラミングされた機械集団(バーサーカー)がそれを生み出した宇宙文明さえも滅ぼしてとうとう人類に出会ってしまった・・・という話なのだが、最初は機械との知恵比べのアイデア・ストーリーから始まるが、その後は一枚岩になりきれない人間どおしの争いが主眼になったりする。バーサーカーを神と崇めるカルト宗教の出現は秀逸。でも「変種第二号」的展開は最後の最後で出てきた。すなわち、バーサーカーが擬態した人間と本当の人間をどうやって見分けたか・・・・・
このシリーズの未訳分は膨大にあるが邦訳があるのは全3冊のみ、今更であるがもう翻訳は出ないんだろうな・・・先日の「反地球シリーズ」やハーバートの息子のデューンの続き、はたまた九星系連盟シリーズも最終巻が未訳である。出版社も事情があるだろうがなんとかならんもんか・・・・それともこれから英語を勉強して原書を読むか?(笑)