少年探偵 黒い魔女

いわゆる三島版「黒蜥蜴」の映画を今月 NHK BS で放送されるというニュースを見て、久々に乱歩版と三島版を読み直そうかと思った時にふと思いついたことがあった。(今までの黒蜥蜴についての記事はブログ内検索してください)
それは少年探偵版の「黄金仮面」で、少年探偵シリーズは江戸川乱歩の通俗長編を他者が子供向けにリライトしたものが20作ほどもあり、当時は乱歩名義で出版されていたのだが、乱歩作でないのでなかなか再販が当時は無くて貴重で「黄金仮面」は図書館で借りて読んだのだった。

https://hakuasin.hatenablog.com/entry/20070521/p1

で、そういえば「黒蜥蜴」のリライトは無かったんだろうか、と調べたらあった!「黒い魔女」とタイトルを替えて。
今はリライトものも再販されているので買う手もあったのだが、現在は高値がついてしまっていて(発売当初に買えばよかった・・・)今回もまた図書館で借りて読むことに。
ネット上ではおおむね原作通りとあったが、実は冒頭がまったく違っていて、少年探偵版はいきなり明智と黒蜥蜴の対面から始まる。つまり、雨宮潤一(山川健作)が黒蜥蜴の部下になるいきさつと最初の犯罪の手口を倒叙的に説明するくだりがばっさりカットされているのだ。
しかし、これは殺人とかがからんだり、エロティックな描写があったり、子供が読むのであればネタバレ的な犯罪手口の描写も不要であろうし、なければ無いで全く問題はないのでこれはありであろう。
原作は最初に黒蜥蜴の強い印象を与えるために必要であったろうが、子供向けであればいきなり明智と黒蜥蜴の対面のほうが効果的と言える。
あとは小林少年が一度時を出す、ラストのキスシーンが無い以外はほぼ原作通り(当然戦前の話が戦後になっているのでそこらへんもちゃんと描きなおしている)「黄金仮面」のリライトの不自然さもまったくなく子供向けリライトの成功例ではないか。