"ORIGINAL ALBUM CLASSICS" HEART

結局、ハートのキャリアの前半の廉価のBOXを買ってしまう。
1st後、売り出し方の意見の相違でレコード会社を移籍して発売された2nd"Little Queen"から、弱冠の低迷後また移籍して(トラッド色を廃して)再ブレークする前までの5CDである。なので、移籍前のレコード会社が残された音源を使用して勝手に発売し、訴訟問題の末音源再利用のリコーディングで再発売された"Magazine"は含まれていない。
順々に聴いていくが"Little Queen"のボーナストラックに「天国への階段」のライブ・バージョンが入っているのが凄い。デビュー直後1976年のライブであるが、いくらツェッペリンが好きでも、ここまで臆面もなく堂々とそのままやってのけるというのはそうとうな度胸で逆に清々しい。ギター・ソロなぞほぼオリジナルのスタジオ盤のままだ。

ハート「バラクーダ」のからくり

ハートの「バラクーダ」を聴いた人は、最初奇妙な感じがする人がいるかもしれない。
ギターのリフはEのパワーコードからG、パワーコードは第3音が無いので調性が判定できないのだが、Gへ移行する事で聴き手は無意識のうちにEマイナーであろうと脳が勝手に判断する。
しかしボーカルが始まるとメロディにソの#が入っているのでコード的にはEメジャーである。つまりここで「え?Eマイナーかと思っていたらEメジャー?」と脳がバグるのである。
そしてすぐにGになるので当然ソの#が取れるので調性はEマイナーとなる、つまり一瞬のうちに長調から短調への転調が行われているのだ。
これが、この曲を聴いた時の奇妙な感じの正体であるが、凄いなあ。

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ハート「リトル・クイーン」(1977)

ハートというバンドは、リアルタイムでは「バラクーダ」が印象深かったが、特にアルバムを買うでもなかった。
最近たまたま、レッド・ツェッペリンの影響を受けているというのを知って、ならば聴いてみたいじゃん、となり「バラクーダ」が収録されている2nd「リトル・クイーン」を購入。
一聴して、トラッド色の強い曲が何曲もあってびっくり、そっち方面もツェッペリンかい!これはうれしい。
また、ラストはプログレ色もある長めのインストでこれもびっくり(イエスの影響もあるという記事もあったし)
1980年代に入ってからトラッド色は無くなったようだが、何にせよこんなに私の好みだと知っていたら当時ちゃんと聴くべきだった。これは他のアルバムも聴いてみるか。

こちらがトラッド色のある2曲、実際は繋がっている。

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続・キンタローのオノ・ヨーコのものまね

以前、キンタローのオノ・ヨーコのものまねについて書いたが

https://hakuasin.hatenablog.com/entry/2016/05/18/061504

あんまりやらないので寂しく思っていたら、昨夜のテレビでキンタローが炎上したものまね3種というのをやっていてその中にオノ・ヨーコのものまねがあった。
誇張しすぎてバカにしている感じなら炎上してもわかるのだが、これは本当にそのまんまなのだから許してやってほしい。

 

シューマン 交響曲全集(1993) ロイ・グッドマン指揮ハノーヴァーバンド

シューマン 交響曲全集(1993) ロイ・グッドマン指揮ハノーヴァーバンド

注文したと書いたのは2月22日であった。

https://hakuasin.hatenablog.com/entry/2024/02/22/045302

その後まもなくして届いたのだが、聴く前に家にあるシューマン交響曲の録音をざっと聴き直してから聴きたくてここまで時間が空いてしまった。というわけで満を持して聴いたのだが。
ピリオド楽器ということで、ヴァイオリンは両翼であり、また現代のオーケストラより人数が少ない。当然その分木管金管が前に出る。しかしである。このバランスにより音の抜けが良くなり、かえって旋律線が埋まることなく実に見通しのいい演奏になっている。これは目から鱗だった。
近代以降のオーケストラの弦楽器偏重のせいでシューマンオーケストレーションが下手だ、という事になってしまったのだ!これは、シューマンのみならずクラシックの作曲家に対する大いなる弊害ではないだろうか。
上記でも書いたが、やはり作曲当時のオケの編成でやるべきなのだ。
そもそもオケが巨大化したのは劇場の巨大化、つまりはより客を詰め込みたいという劇場側の都合であった。現在はそんな事を気にする必要も無いのだから(PAや録音技術の進化等)もう巨大化したオケで演奏するのはやめにして欲しい。
話は逸れたが、久々にこんなにわくわくする演奏に出会えた。
ちなみに、第4番は改定前の初版であるが、個人的には改訂版で録音するか、初版と両方やってほしかった。
シューマンの死後に第4番を出版する際に、ブラームスは初版を、クララは改訂版を推したという話が残っているくらいだから初版も悪くないのだが、第4楽章の個人的には冒頭がちょっと物足りない部分があるからである。