文学
先日アーシュラ・K・ル・グウィン関連からヴァージニア・ウルフの話を書いたが、ル・グウィンは絶対に他でもヴァージニア・ウルフについて書いているに違いない、と思って調べたらあった。エッセイ集「夜の言葉」に収録されている「SFとミセス・ブラウン」…
先日の「ゲド戦記」の最新刊の序文やエッセイにヴァージニア・ウルフの名前が何回か出てくる。当時彼女は女性であるという理由で大学へ行けなかった、という話である。寡聞ながらヴァージニア・ウルフといえば「ヴァージニア・ウルフなんか怖くない」という…
昨日の記事に連動している旧ツィッター(意地でもXと言わない(笑))にいいねをくださった方がいて、覗いてみて三島由紀夫の命日が11月25日であることを知った。 つまり、三島由紀夫の命日に注文して翌日届いたことになる。 これはシンクロニシティという…
先日「篁物語」「平中物語」「浜松中納言物語」を収録したものを注文した、と書いたが、届いてみたら現代語訳ではなかった(汗)上段に難しい所の現代語訳はあるものの、これは腰を落ち着けてじっくり読まねば。それはさておき、この本は岩波書店の日本古典…
若い頃から名字が同じ有名人ということで菅原孝標女の存在は知っていたし、いつか作品を読んでみたいと思っていた。今回の「光る君へ」がきっかけで「更級日記」は抄訳ではあるが読むことができた。しかし、彼女の作品では?とされる「浜松中納言物語」も四…
以前、あるスーパーの2階に古本があるという話を書いたが、奥さんがそこに寄るたびに(足が私)またなんか発見があるかも、とチェックするようにしていたのだが、先日海音寺潮五郎の「王朝」という文庫本を見つけた。え?海音寺潮五郎が平安時代?と思って…
ビートルズの知識をアプデ(年寄が使うと痛いかな)していたが、それが一段落して、次はプログレの知識をアプデすることにした。そうしたら、イエスの「危機」のウィキペディアで アンダーソンはこの曲の着想を、彼のお気に入りであるジャン・シベリウス作曲…
こんなのを見つけた。 https://pot-au-feu.blog.jp/archives/39317261.html 少女よ、がっかりするな。モンゴメリにはまだまだあなたが読み切れないほどの作品があるのだ。っていうか、それを教えてあげたらよかったのに。
先日、ちらっと「月下の一群」という季刊誌について書いたのだが https://hakuasin.hatenablog.com/entry/2021/12/04/064759 アマゾンで調べたら、ユーズドで出品されていたので懐かしくなって買ってしまった。 ほとんど覚えていないのだが、赤瀬川原平のこ…
突然思い出した。たぶん高校の頃、梶井基次郎とか萩原朔太郎とかにはまっていた時期があって、やはりそういう方面が好きな学友が「月下の一群」(堀口大学ではなく、2号で廃刊になった唐十郎編集の季刊誌)という雑誌を学校にもってきていたのを読んで、す…
前にどこかで書いたかもしれないが、うちの奥さんと娘はクリープハイプのファンであるが、今朝奥さんが興奮気味に「尾崎世界観が芥川賞候補になった」と知らせてくれた。私はファンではないが、このバンドの素晴らしさはわかっているつもりなので、素直にび…
以前、アニメの設定のまま続編である「続あしながおじさん」をアニメ化してほしかったと書いた「私のあしながおじさん」であるが http://hakuasin.hatenablog.com/entry/20080127/p1 http://hakuasin.hatenablog.com/entry/20080131/p3 たまたまこんなページ…
昔から定期的に読み返している本(全40巻)があるのだが、その中にたぶん女性の教育家の本からの引用として、幼児期に音楽を聞かせると良いのだが、歌が上手ければ本人が歌ったのだが、代わりにヴァージルの詩を読み聞かせた、という話があって、読むたび…
先日のテレビで、オリラジの中田敦彦が、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の解説をしていたのを見た。なんか違和感があるな、と調べたら「銀河鉄道の夜」は第4次稿まであり、私が読んだのは「ブルカニロ博士」が登場する第3次稿だったようだ。そうなると、全て…
私は、とりたててボブ・ディランのファンというわけではないが、彼が及ぼした歴史的世界的影響については充分承知している。(洋楽遍歴は同時代のビートルズ・ファンから始まったからね(正確にいうと、その前にミッシェル・ポルナレフ)) 今回色々な意見が…
モンゴメリ「険しい道 モンゴメリ自叙伝」「アンの夢の家」の後に出版されたモンゴメリの自叙伝である。以前触れた「果樹園のセレナーデ」の「ルウシィ・モンゴメリおぼえがき」はhttp://hakuasin.hatenablog.com/entries/2015/05/18この「険しい道」が元ネ…
小泉八雲と日本の音楽小泉八雲の作品を読む前に、その生涯をざっと知っておこう、ということで「ラフガディオ・ハーン 異文化体験の果てに」牧野陽子(中公新書)を読んだ。いろいろと勉強になったが、日本の音楽についての記述が興味深かった。「当時欧米人…
小泉八雲小泉八雲は漠然とイギリス人という記憶があった。しかし久々に読み返した「宗像教授異考録」にアイルランドとギリシャのハーフとあった。ケルトではないか!小泉八雲が日本の怪談に興味があったのもアイリッシュ・ホラーの下地があったからであり、…
翻訳:甲斐万里江(2005) 先日ちらっと触れたピーター・トレメインであるが(こちら) 間に「巨人たちの星」3部作が挟まってしまった「デューン・シリーズ」再読も終わり(こちらも最後の2シリーズを購入という、最初の予定外の結果になったが)ようやく…
昨日の話の続きである。やっとその部分の原文がわかった。 'I sent Hilary Craven off on a journey to a destination unknown, but it seems to me that her journey's end is the usual one after all.' 'Aha! yes! your Shakespeare!'高橋豊による日本語…
せっせとヴェルディを聴いている狭間の閑話休題。 「椿姫」はあまりに有名で、若い頃けっこう聴いているので、最近はあまりすすんで聴こうとはしないのだけれど、その分まだまだ知らない事があった。 そもそも「椿姫」は小デュマの原作「椿の花の貴婦人」か…
日記には書いていないが、最近はけっこう読書三昧である。 「トリスタンとイゾルデ」の原作である「トリスタンとイズー」を我々が読もうとするなら、まずは岩波文庫のジョゼフ・ベディエ編「トリスタン・イズー物語」であろう。 多くの異本、断片を一つにま…
三島由紀夫(原作:江戸川乱歩) というわけで(こちら)三島版「黒蜥蜴」を読む。 三島由紀夫の作品は、そんなに数多く読んだわけではなく、少年時代に「禁色」「憂国」その他を読んだだけであるが、生まれて初めて「文章というものの持つ力」というものを…
メアリー・ノートン ジブリ作品に、徐々に興味が無くなってきている昨今であるが、今回の作品もあまり触手は動かなかった。 しかし、ケルトとの関連を中心にまとめた番組を見て、現金なもので、一気に興味が湧いてきた、ただし原作のほう(笑) 5巻あるそう…
モンゴメリ 漫画 原ちえこ 以前古本屋で、この(上)のみを入手したことを書いた(こちら) 結局、(下)が見つかりそうに無いので(というか、忘れていたのだが)ユーズドにあったので購入。 絵柄の好き嫌いはあるだろうが、ほぼ原作に忠実で好感が持てる。…
誰のものかは忘れたが、たぶん青春時代に読んで印象深く覚えている詩の一節があって、時折口から出てしまう。 すなわちビヨロンの〜である。それ以上は出てこないのだが(笑) で、調べたら、なかなか分からなかったのも無理は無く「ビヨロンの〜」では無く…
山本周五郎 山本周五郎少年少女向け作品集の二冊目。 「水戸黄門」等の時代劇の元ネタにしても(贅沢だが)いいぐらい痛快な時代小説のてんこ盛り。(大岡越前が登場する話まである) 少女が主人公なので、より痛快さが増す(って、私がおじさんだからか(自…
山本周五郎 先日ちらっと書いた山本周五郎少年少女向け作品集の一冊目。 少年少女向けということで、幾分シンプル、明朗、勧善懲悪、活劇路線が強く、また戦前戦中の時節柄、修身色、勤皇色が強い作品もある。 しかし、深さでは大人向けの作品にけっして引け…
山本周五郎 本屋で山本周五郎の見慣れないタイトルを発見した。それも角川文庫である。 解説を見てみると山本周五郎の少年少女向け短編小説の初の文庫化とのこと。 「春いくたび」が昨年末、「美少女一番乗り」(なんちゅうタイトル)が今年春の発行だった。…
ドロシー・ギルマン ミセス・ポリファックス・シリーズ「〜シルクロード」(1983)と同年出版だが、「アメリア・ジョーンズの冒険」(1979)よりも執筆上は前に書かれたという説もある。 というのも、「アメリア・ジョーンズの冒険」の中で、この「古城の迷…