アーシュラ・K・ル・グウィンとヴァージニア・ウルフの話

先日アーシュラ・K・ル・グウィン関連からヴァージニア・ウルフの話を書いたが、ル・グウィンは絶対に他でもヴァージニア・ウルフについて書いているに違いない、と思って調べたらあった。
エッセイ集「夜の言葉」に収録されている「SFとミセス・ブラウン」で、もう20年ぐらい前に読んだので、当時はヴァージニア・ウルフにも興味がなかったのであろうし全く内容も覚えていなかった(汗)
ヴァージニア・ウルフに「ベネット氏とブラウン夫人」という評論がある。たまたま列車で乗り合わせたごく普通の女性に仮にブラウン夫人と名づけ、彼女を発見したことにより彼女を描く、それが真の小説である。という論調でそれまでの文学の批判を繰り広げている。
ル・グウィンは、はたしてSFにおいてブラウン夫人を描く事は可能だろうか、という観点から古今の(それこそザミャーチンデストピア小説「われら」あたりから)SFを(自作を含めて)評論、考察していき、多分結論としては自分はSFにおいてブラウン夫人を描く事が目標である、ということなんだろうと思う。
めちゃめちゃ影響受けとるやん。
追記。いつか買うつもりだったル・グウィンのエッセイ集「ファンタジーと言葉」をとりあえずということで図書館から借りてきたら、いきなり巻頭文がヴァージニア・ウルフの手紙の引用だった!!
めちゃめちゃ影響受けとるやん、パート2。