2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

モーリス・ルブラン「水晶の栓」

モーリス・ルブラン「水晶の栓」前回、なぜルパン・シリーズが苦手か、を書いたのだが、さらに言えるのは、ルブランもヴァン・ヴォクトのように、話の始まりからしばらくは何が謎なのかもわからなくて、読者を五里霧中状態にさせる、という点である。個人的…

ストラヴィンスキーの自演BOX

ストラヴィンスキー・エディション"Works of Igor Stravinsky" 先日「春の祭典」BOXを見つけた後、なんとなく調べ続けたら、また気になるものを見つけてしまった。ストラヴィンスキー自身が指揮をした音源の22CD BOX SET である!「春の祭典」BOXのス…

ルパン三世実写化

ルパン三世実写化何年も前から噂のレベルで報道されてきた「ルパン三世実写化」がいよいよ具体化したようだ。あの「あずみ」の山本プロデューサーと北村龍平監督コンビで、配役も、以前からささやかれていた次元が某ジャニーズということも無くなり、全体的…

モーリス・ルブラン「813」「続813」

モーリス・ルブラン「813」「続813」ルパン・シリーズの読破が何度も挫折していることは以前にも書いた。http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2007/05/08今回は、気負わないで、他の作品の合間を縫って読んでいこうかと思う。「813」は子供のころ読んだ…

本日諸事情により

本日諸事情により、ブログ更新ありません。

「春の祭典」の話(+ELPの話)

「春の祭典」の話(+ELPの話)ストラヴィンスキーバレエ音楽&管弦楽BOXには、シャイ・クリーヴランド盤(1985)が収録されている。細かい感想は後ほどとして、第1部の「春のロンド」の引きずるような動機のところでテンポが大きく落ちる。実は個人的…

ストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」4種

ストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」(1947年版)リッカルド・シャイー指揮 ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団(1993)乱暴な言い方をすれば、この曲は「火の鳥」と「春の祭典」の両方の魅力を兼ね揃えた曲で、実に面白い。こういう、俗っぽさに堕さない…

似ている曲

似ている曲昔から、良く似ているなあ、と思っていた事を突然思い出した。だぶん、この手の曲は、まだまだいっぱいあるんだろうな。 1975 フリートウッド・マックの「リアノン」 1979 キッスの「ラヴィン・ユー・ベイビー」 1980 ブロンディの「コール・ミー」

ストラヴィンスキー「火の鳥」

ストラヴィンスキー「火の鳥」シャルル・デュトワ指揮 モントリオール交響楽団(1984)往年のプログレ・ファンはたいていそうだったと思うが「火の鳥」という曲に初めて触れたのは、イエスのアナログ3枚組ライブ・アルバム「イエスソングス」である。コンサ…

A・E・ヴァン・ヴォクト「スラン」

A・E・ヴァン・ヴォクト「スラン」(1946)「宇宙船ビーグル号」の元になった「黒い破壊者」とともに1940年に雑誌掲載されてヴァン・ヴォクトの出世作となったこの作品でヴァン・ヴォクト再読シリーズを締めたいと思う。ヴァン・ヴォクトを読み進めてきて…

ストラヴィンスキー初期管弦楽作品

ストラヴィンスキー 交響曲変ホ長調 幻想的スケルツォ 幻想曲「花火」アシュケナージ指揮 サンクト・ペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団(1994 1995)ストラヴィンスキーの「火の鳥」以前の管弦楽作品である。交響曲変ホ長調は、調性の通りの「英雄的」…

来秋の朝ドラの話

来秋の朝ドラの話来秋の朝ドラの主人公が、ニッカウヰスキーの創業者の妻(スコットランド人)だそうだ。 来春の朝ドラの主人公が「赤毛のアン」の翻訳者、村岡花子で、作者のモンゴメリーがアイルランド系移民の子孫だから、なんかケルトづいているな。俳優…

A・E・ヴァン・ヴォクト「目的地アルファ・ケンタウリ」

A・E・ヴァン・ヴォクト「目的地アルファ・ケンタウリ」(1965)海外ウィキペディアによると、この作品も3篇の短編小説を長編に仕立てたものらしい。ちなみに短編の発表年は、1947年、1850年、1963年。「宇宙船ビーグル号」は、連作短編の長編化なので、…

ストラヴィンスキーを聴いてゆく

ストラヴィンスキー バレエ音楽&交響曲全集(7CD)たぶんシベリウスから始まった「制覇シリーズであるが」(笑)こういうのができるようになったのも廉価BOXが出始めたせいで、こちらとしてはありがたい。ストラヴィンスキーというのも実は「春の祭典…

ディープ・パープル「嵐の使者」

嵐の使者(1974)ディープ・パープル高校時代ディープ・パープルのコピー・バンドをやっている頃、いわゆる3期パープルは「紫の炎」と「嵐の女」をコピーしていた。そういう関係もあって3期パープルのレコードで買ったアルバムはライブの「メイド・イン・…

「暗殺教室」松井優征

「暗殺教室」松井優征コンビニ等で背表紙を見て「暗殺教室?」と思って、手に取って予想外のキャラにびっくりして、買いはしなかったが気になってはいた。案の定、娘が全巻買ったので読んでみたら面白い。有名な話だが、少年ジャンプは「雑誌キーワードは「…

A・E・ヴァン・ヴォクト「原子の帝国」「見えざる攻防」

A・E・ヴァン・ヴォクト「原子の帝国」(1959)雑誌掲載は1947年のほぼ長編と言っていい中編。はるか昔の大戦争の後、科学技術は残っても科学知識は後退し、科学者は原子を神とあがめる宗教団体の聖職者になっている時代、放射能の影響で生まれた奇形児、…

ムソルグスキー「ホヴァーンシチナ」(イタリア語歌唱)

ムソルグスキー「ホヴァーンシチナ」(イタリア語歌唱)ボーゴ・レスコヴィチ指揮 RAIローマ交響楽団(1973)ニコライ・ギャウロフ(ホヴァーンスキー公)チェーザレ・シエピ(ドシフェイ)フィオレンツァ・コッソット(マルファ)ヴェリアーノ・ルケッティ…

A・E・ヴァン・ヴォクト「宇宙製造者」

A・E・ヴァン・ヴォクト「宇宙製造者」(1953)いかにも古いSFらしい大仰なタイトルに苦笑してしまうが、お得意の主人公も読者も五里霧中のジェット・コースター・ノベルで、最終的にはこれもお得意の円環形式のタイム・パラドックスもの。読み終わって…

5つの銅貨(1959)

5つの銅貨(1959)「5つの銅貨」(今まで「五つの銅貨」と表記していたが「5つ」が正しいらしい)という映画については、これまで何回か書いてきた。 http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2004/10/18http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2004/10/29h…

ヴァン・ヴォクトの短編集

A・E・ヴァン・ヴォクト「時間と空間のかなた」(1952)1940年代に雑誌に発表された短編による短編集である。各種報告書の羅列により記述される、ドイツの天才科学者によるナチスへの復讐譚「永遠の秘密」サスペンス満載の宇宙吸血鬼族の地球来襲の物語「…

ムソルグスキー 歌曲集

ムソルグスキー 歌曲集(1974 1979)エフゲニー・ネステレンコ(バス)ウラディミール クライネフ(ピアノ) かわいいサーヴィシナドン川のほとりに花咲くイェリョームシュカの子守歌メフィストフェレスの歌(蚤の歌)歌曲集「死の歌と踊り」歌曲集「日の光…

島倉千代子さんの思い出

島倉千代子さんの思い出子供の頃から好きだった歌手であった。「すみだ川」はセリフも含めてよく真似をして歌っていた。ご冥福をお祈りします。

A・E・ヴァン・ヴォクト「宇宙嵐の彼方」

A・E・ヴァン・ヴォクト「宇宙嵐の彼方」(1952)出版は1952年だが、1940年代の3つの中編をつなげて長編に仕立てたもの。一万年以上前から地球との接触を絶っている世界「五十の太陽」と、その位置を突き止めようとする宇宙戦艦の衝突、しかし「五十の太…

大茂館・蒼前神社と覚書

大茂館・蒼前神社と覚書以前、別ブログに八戸の城址大茂館・蒼前神社を訪ねたが、私有地の為断念したことを書いた。 blog.livedoor.jp たまたま、ネット上でここを撮影したサイトを見つけた。ttp://c-hearts.jugem.jp/?eid=334「こどもの国」近辺の蒼前神社…

アバドの「ホヴァーンシチナ」

ムソルグスキー「ホヴァーンシチナ」(ショスタコーヴィチ版)クラウディオ・アバド指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団(1989)ホヴァーンスキィ公:オーゲ・ハウグランドアンドレイ:ウラジーミル・アトラントフゴリーツィン公:ウラジーミル・ポポーフシャク…

A・E・ヴァン・ヴォクト「イシャーの武器店」

A・E・ヴァン・ヴォクト「イシャーの武器店」(1951)以前も書いたが「武器製造業者」の続編だが、時系列的には前の時代を描く。そのせいか、日本ではこちらから発売されたようだが、時系列的には前でも、やはり執筆順に読むことを推奨する。なぜならこち…

ムソルグスキー「ホヴァーンシチナ」(ショスタコーヴィチ=ゲルギエフ版)

ムソルグスキー「ホヴァーンシチナ」(ショスタコーヴィチ=ゲルギエフ版)ワレリー・ゲルギエフ 指揮 マリインスキー歌劇場管弦楽団(1991)ホヴァーンスキー公:ブラト・ミンジルキエフドシフェイ:ニコライ・オホトニコフアンドレイ:ウラジーミル・ガルー…

9歳の少女が歌う、プッチーニ「ジャンニ・スキッキ」の「私のお父さん」

9歳の少女が歌う、プッチーニ「ジャンニ・スキッキ」の「私のお父さん」

A・E・ヴァン・ヴォクト「宇宙船ビーグル号」

A・E・ヴァン・ヴォクト「宇宙船ビーグル号」(1950)子供の頃は「宇宙船ビーグル号の冒険」というタイトルで読んだ記憶がある。一般にはモンスター側からの倒叙的手法が画期的と言われる作品だが、子供の頃印象に残ったのは「情報総合学」という架空の学…