モーリス・ルブラン「813」「続813」

モーリス・ルブラン「813」「続813」
ルパン・シリーズの読破が何度も挫折していることは以前にも書いた。
http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2007/05/08
今回は、気負わないで、他の作品の合間を縫って読んでいこうかと思う。
「813」は子供のころ読んだ記憶がある。読んでみると、自殺しようとした青年を他人の身代わりにするくだり等はおぼろげに覚えている。

ルパン・シリーズは、短編はアイデア主体のミステリーなので、比較的好ましいのだが、長編になると、どうしても「サスペンス」や「冒険譚」で水増しされている感がある。ファンはそこがいいのだろうが、個人的には退屈極まりない。
また、ルパンの性格が、あまり好ましく思えない、というのも、ルパン・シリーズの読破が挫折してきた原因の一つと言える。
個人的にだめなのか、日本人の感性にそぐわないのか。孫の(笑)三世の性格があまりいやだと思わないのは、やはり日本人との感性の違いなんだろうか。
でもまあ、感情移入ができない主人公が、結局は失敗するのだから、作者のもくろみどうりなのかもしれない。
ちなみに、驚愕の結末は「意外な犯人」という意味では王道中の王道、この手「赤毛のレドメイン」的展開(ああ、ネタバレだ)は(自分でも理由がわからないが)大好物なのだ。しかし、なぜ好きなんだろう?