ディープ・パープル「嵐の使者」

嵐の使者(1974)
ディープ・パープル
高校時代ディープ・パープルのコピー・バンドをやっている頃、いわゆる3期パープルは「紫の炎」と「嵐の女」をコピーしていた。
そういう関係もあって3期パープルのレコードで買ったアルバムはライブの「メイド・イン・ヨーロッパ」そして「紫の炎」で「嵐の女」は収録されている「嵐の使者」は買わずにシングルで買ってた。
若い頃はどうしてもリッチーの「クラシカル・フレーバーのハード・ロック」志向が好きだったので「嵐の使者」は敬遠していたのかもしれない。
CD時代になってからも「嵐の使者」を買わずにいたのだが、ブラックモアズ・ナイトもカバーした「幸運な兵士」を聴いてみたいという事もあり廉価の中古で買ってみる。
聴いてみると、当時は買いはしなかったが「ユー・キャント・ドゥー・イット・ライト」を覚えていたので、どこかで聴いてはいたようだ。
さて、曲の完成度は全て高く、約1名除いてメンバーもノリノリで、特にデイヴィッド・カヴァデールのボーカルは全開で「ああ、こんなもにいいボーカリストだったのだな」と改めて思う。
しかし問題は、たぶん(私も含めて)2期パープルに熱狂し、3期も「紫の炎」ならまだまだ昔のパープルが残っていると、一安心した当時のパープル・ファンが、初めてこれを聴いた時どう思ったか、である。
正直「ディープ・パープル」という冠さえなければ、非常に優秀なアルバムだ、と断言するにやぶさかでない(約1名、時折テンションが下がるという欠点はあれど)
なので、今ならこのアルバムを、素直に楽しめると思う。