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9月のポピィ ロマコメ長編傑作選

マンガ

一条ゆかり
先日、1972年に「りぼん」で6ヶ月連続128ページの別冊付録を一条ゆかりが担当した話を書いた。(こちら)のこりの3作が文庫で発売された。
春は弥生
雨のにおいのする街
9月のポピィ 
読むと当時どんな気持ちでこれを読んだのかが、おぼろげながらもよみがえってくるものだ。基本はやはり純情な少女の思いが男を救うという王道である。(あ、先日山本周五郎の時書いたのと同しではないか!)「9月のポピィ」にいたっては、「実は親子」「実は兄弟」「実は小さな頃の初恋の相手」と、これでもかと常道パターンのてんこもり。しかし、それが一条節でありストーリーテリングの見事さで、まったく嫌味無く読めてしまう。
好みで言うと「春や弥生」だろうか。今考えると、こんな高校生の恋はありそうにも無いのだけど、当時中学生であった私にとっては、高校生、大学生となれば、もう実感としては10歳ぐらい上の大人の別世界なので、けっこうシリアスではあるが、そんなものだと思ったものだ。
「雨のにおいのする街」は天才少年科学者と、ヨーロッパの田舎で魔女扱いされる超能力者の年上(といっても10代だが)女性の話。SFとしてはゆるいが、ロマコメとしてはSFがいい味付けになっていて、けっこう好きな話。
考えると、一条作品の絵柄は、この時代が一番好みかもしれない。大好きな「ティータイム」も絵柄的にはもう好みではなくなってきつつあった。そして「デザイナー」や「砂の城」の後半あたりで話的にも付いていけなくなってきた。よって「有閑倶楽部」は導入部は読んでいるかもしれないが、もうすっかり覚えていない。
男の私が「りぼん」を読み始めたきっかけはいったいなんだったのだろう?さっぱり覚えていない。「風の中のクレオ」(1970)の連載途中であったから、小学校5年であったはずだが・・・・・
当時は、井出ちかえ、巴里夫、もりたじゅん、のがみけい、土田よしこ、弓月ひかる、山岸凉子らの時代だったか。それから陸奥A子、田淵由美子、太刀掛秀子、篠崎まことらの「おとめちっくロマコメ」の時代がはじまり、まさに中学、高校はその時代にどっぷりつかっていたのだろうな。「花とゆめ」や萩尾望都は高校以降だったろうか。