The Beatles MONO BOX

ビートルズ・リマスター発売時、モノ・ボックスは限定発売かつお高いということで、金銭的な工面ができた頃はもう市場に出回っていないだろうという事で、買うつもりは無かったが気にはなっていた(こちら
しかし、限定と言っていながら追加生産されていた事を知った(それもどうかと思うが)
で、以下の理由により、悩んだ末に購入する事にした。
"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band"等、ステレオでしか聴いた事のないアルバムが、モノではどうなっているのか?
また、"Please Please Me""If I Fell"のように、モノとステレオでバージョン違いが、他にもあるという情報。
アナログ時代、アルバム未収録の曲は、シングルを買っていたが、当時モノだった。例えば"Lady Madonna"等("Lady Madonna"はアメリカ編集の"Hey Jude"に収録されていたが、当時はかたくなにアメリカ編集盤を避けていた)ので、それらの曲のモノバージョンがまた聴きたくなった。
ユーズドや輸入でお安くとも思ったのだが、ネット上では偽物事件もあったらしく、ここは腹を決めてお高い邦盤にすることにした(涙)

Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band(1967)mono mix

The Beatles
というわけで、プロデューサーのジョージ・マーティン
「モノラルでこそ本当にサージェント・ペパーを聴いたことになるのだ」
というペパーをまず聴く。
おさらいをすると、当時はビートルズを聴く世代にFMラジオが普及していないという前提の下、アルバムはまずモノミックスが入念に作成され、その後ステレオミックスがつけたりのように作成されていた。つまり、ステレオミックスを作成後にそれをモノにまとめたのではなく、まったく別作業で作成されていたのだ。
バージョンの違いを含めた両者の違いは、詳しいサイトがあるので、いちいちは書かないが、以前私は、架空のバンドのコンサートの形式に押し込めたために、各曲の個性が死んでいると書いた事がある。(こちら
しかし、それは、ステレオしか聴いていなかった人間のたわごとであった。各曲の迫力が、ステレオとモノではまったく違う。
例えば一つだけ挙げると、"Lucy in the Sky with Diamonds"であるが、以前から私はこの曲のジョンのボーカルが妙に浮いている気がしていたのだが、モノミックスだと、見事にバックと渾然一体となるようにミックスされている。
ビートルズを聴き始めて三十数年、モノミックスの存在や成立事情を今回初めて知り、また、初めてペパーのモノを聴いた。ファンと言っていながら、今回の発売が無ければ、ペパーのモノを聴かずに死んでいたかもしれないと思うと、薄ら寒い思いがする。