「禿山の一夜」2種

ムソルグスキー 禿山の一夜(原典版:「禿山の聖ヨハネ祭の夜」)
ドホナーニ指揮 クリーヴランド管弦楽団(1988)
ムソルグスキー 禿山の一夜(R=コルサコフ編)
フリッツ・ライナー指揮 シカゴ交響楽団(1959)
突然「禿山の一夜」の原典版が聴きたくなった。大昔、エアチェックでデュトワ盤を聴いた事があったが、それ以来聴いていない。
アバド盤が一般的なんだろうが、へそ曲がりなのでドホナーニ盤を買ってみる。リヴィング・ステレオにライナーのR=コルサコフ編盤があったので、聴き比べにちょうどいい。
ちなみに原典版とは、元々はオペラとして構想されたが、ピアノ曲「聖ヨハネ祭前夜の禿山」として形になり、それをムソルグスキー本人が管弦楽編曲したもの。
R=コルサコフ編は、起承転結を付けるために、原典版の無駄をはぶき、新たな楽想を加え、管弦楽として効果的な楽器配置を行っている。もう再作曲に近いので、R=コルサコフとの共作と考えた方がいい。
なので、曲として聴くに分にはR=コルサコフ編が実によくできていて聴き応えがあるが、冗長で泥臭い原典版も捨てがたい魅力をもっていることは確か。