赤毛のアン(1908)

ルーシー・モード・モンゴメリ
翻訳:松本侑子(1993)
久々に読み返している。
松本侑子訳で読むと、村岡花子訳は今でも読み継がれている名訳なのだが(若干の省略あり)やはり「赤毛のアン」を当時の日本の少女に受け入れやすいような雰囲気を意図的に作ってある翻訳なのだということがよくわかる。
それに比して松本訳は、モンゴメリが当時のカナダや英米の読者に何を示唆していたのかを、日本人にもわかるように掘り下げてくれるので、村岡花子訳とはまた違ったこの作品の側面を知る事ができる。(詳細はいろいろネット情報があります)また、マリラが少しづつアンを受け入れていく様が、非常によくわかる様になっている。現在文庫にもなっているので「赤毛のアン」が好きな方には(もう持ってるか)もちろんお勧めだが「赤毛のアン」を少女文学だと思い込んでなめてる人にも一読をお勧めする。
ちなみに、モンゴメリ(も、マシュー、マリラも、たぶんアンも)はスコットランド系移民の子孫だった!やっぱケルトじゃん。だからキリスト教の範疇におさまらない思想性が秘められていたのだった!別方向からの興味がここでまた一致してしまった。
ちなみに松本さんは出雲出身で出雲に愛着をもっておられるが、出雲は蝦夷とつながりがあるという説もあるし、これは何かある!(なんてね)
情報によると、今年は「アンの愛情」が出るようなので楽しみ。
さらに情報によると文庫版は翻訳や訳注がバージョンアップとのこと。これは買わねばならんではないか!

アンの村の日々

ルーシー・モード・モンゴメリ
この本は昔から気になっているのだが未読である。なかなか書店に出回らないし、文庫にもならない。
(詳細はウィキペディアでどうぞ)
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%9D%91%E3%81%AE%E6%97%A5%E3%80%85
で、ネット情報によると、直接は登場しないが、(アン・)ブライス家の人々の名前がちらちら出てくるのだそうだ。で、気になったのが、「祖父の名前をとったギルバート・フォードが第2次世界大戦に出征するという噂」が書かれているらしい。
「アンの娘リラ」では、オーエン・フォードとレスリーの息子ケネス・フォードが、アンの末娘リラと結婚することがほのめかされた形で終わっている。フォードと名乗る人間が祖父の名前をとってギルバートなら、彼はまさにアンの孫ではないか!!
以前こんな事を書いたが(こちら)その時はまったくこの事を知らなかったのだ。
第2次世界大戦が1939年、モンゴメリの死去は1942年だから、第2次世界大戦に触れた作品があってもおかしくないのだった。
図書館で探して読もうかな。