ブルックナー 交響曲第4番 ノバーク版

レーグナー指揮 ベルリン放送交響楽団(1983)
いつもどおりの速めのテンポですっきりした演奏、といいたいところだが、第1楽章は若干せわしなく流れてしまっている部分がある。第2楽章以降はすこぶる出来がいいので大変惜しい。よほどこの第1楽章は演奏が難しいのかもしれない。

ブルックナー 交響曲第4番 総括

今回意外に思ったのが、上記にもあるとおり4番の第1楽章の指揮は意外に難しいのではないか、という事。
第2楽章以降はそれなりに音楽は成り立つ。第1楽章は素材としては魅力的なものがそろっているのに、それをそのま演奏すると音楽が成り立っていかない。
そんな中、インバルのノバーク1版は別として、改訂版を使用していながら、やはりクナがちゃんと音楽になっているのはさすが。
実は、最初にクナを聴いて、改訂版に違和感を感じたから、それ以降聴いた中から1枚選ぼうと思っていたのだが、結局クナを選ばざるを得ない。自分でも意外である。
特に私の好きな箇所、第1楽章 297小節目からは、天上から音楽が降ってくるように一瞬で世界が変わる部分だが、そこが一番効果的に演奏していたのが、やはりクナだったりする。