Strauss conducts Der Rosenkavalier

R・シュトラウス指揮 Augmented Tivoli Orchestra(1926)
シュトラウス本人が指揮をした「ばらの騎士」が残っていたとは!ただしオペラではなく組曲ではあるが。
「ばらの騎士」組曲は、本人をはじめ、何人かが作曲しているようだが、これは本人がサイレント映画の音楽用に編曲したもの。本人が想定した「ばらの騎士」の本来の姿が垣間見られるということで大変興味深い。
序曲は序盤が余計なタメも無く、一気呵成に進むが、ウィーン的な、縦割りより横のつながり重視の演奏で、これがまた実に気持ちいい。中盤以降もロマンティシズムは濃厚だが、必要以上にテンポが落ちることはない。
ファイナル・トリオも同様に、非常に適切なテンポの速さで、現代によく聞かれる、ゆっくり目のじっくりした演奏は、作曲者本来の意図するものではないと言うことが、よくわかる。
また、このCDには、他の作曲家の曲をシュトラウスが指揮しているもが何曲か収録されているが、興味深いのが、1928年 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮したワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」前奏曲で、後のフルトヴェングラークナッパーツブッシュを初めとする巨匠たちにも引けをとらない名演である。勿論、指揮者としても有名だったのだが。なお、「愛の死」の終結部で終わるよう編曲されている

余談であるが、1874年生まれのホルストも、組曲「惑星」を1926年にレコーディングしており、これはアナログ時代に持っていた。
また、1873生まれのラフマニノフが自分でピアノを弾いている、ピアノ協奏曲第2番(1929)第3番(1939-1940)は、実は持っているのだが未聴。