ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」

クナッパーツブッシュ指揮 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(1953)
以前クナッパーツブッシュのエロイカ1951年盤を買った時1953年盤を買いたいと書いたが(こちら)例の大全集に入っていたではないか!うーん解説もチェックしてたんだが、ボケとるな。
止まってしまいそうなテンポと深い残響。懐かしい!アナログ時代を思い出す。ゆっくり始まるのにいつのまにか通常のテンポになっているのはこの人の十八番だな。全体の所要時間が1951年より若干短いので、ゆっくり目のテンポながら、ゆっくり過ぎると言う印象は無い。残響が大きいせいもあるがクナにしては普遍的な美しさをもつ雄大な仕上がりになっている。4楽章はかなりクナの個性が出てはいるのだが、全体的にどこまでも自然体だ。やはりこの人はソナタ形式の方法論ではなく、ワーグナーの楽劇を演奏する方法論で、他の作曲家の作品も演奏しているのかも知れない。うーん、下手するとウラニアよりいいかもしれんぞ。もちろん1951年の、クナ全開の演奏もすばらしいのだが。