マゼールのシベ7 シベ6(新盤)

シベリウス 交響曲第7番 第6番
ロリン・マゼール指揮 ピッツバーグ交響楽団(1992)
マゼールのシベ7の新盤は、旧盤より所要時間が長い。あのティントナーよりも1分ほどかかっている。そしてうって変わっておとなしい演奏だが、虚仮脅し感は残っているし、思い入れたっぷりの弦の響きが透明感を削いでいる。。
テンポ的には常々言っている私のシベ7の理想に近いのだが、最初から最後まで緊張感に満ち満ちていて、シベリウスに癒しを求める人間にとっては、疲れることこの上ない。
6番は、旧盤よりわずかに遅いが、それでもほぼヴァンスカ盤に等しい。ので、テンポ設定は第4楽章以外は申し分ないが、思い入れたっぷりの弦の響きが、これほど透明感を削ぎ、シベリウスの本質から離れてゆくのだ、ということを改めて思い知らされる演奏である。