Still Life(1976)

Van der Graaf Generator
さて、デジタルリマスター第2弾は、なぜかピーターのソロ"Fool's Mate"とあわせてなので、2作ということになった。本当は3部作である"World Record"とあわせて出してもらいたいところだった。さすがに、もともと音が良かったので、前期の3作ほどには、リマスターによって、印象が驚天動地に変わったということはなかった。もともと好きな3部作なので、予想通りの感動であった。
まだ発売されてない"World Record"とあわせて、自分の好みでランキングすると、
Godbluff
World Record
Still Life
の順になる。
"Godbluff"は魅力溢れる曲のみの稀有の作品。1曲目"The Undercover Man"のフルートのイントロに始まるボーカルはいつ聞いてもゾクゾクする。3曲目"Arrow"は、ライブバージョンの"Still Life"を除けば、一番好きかも知れない。なんでこんな曲が書けるのか。後奏で、サックスが「ピキューン」と聞こえるところがある。サックスは詳しくないが、こういう音を出す奏法があるのだろうが、そこが大変にかっこいい。聞くときは、そこがくるのをいつも楽しみにしている。そして"The Sleepwalkers"は、1曲の2パターンを続けて演奏するという、ちょっと普通では考えられない構成だが、どちらも違和感なくかっこいい。もしかして、アレンジをまとめる段階で、どっちのパターンも捨てがたくなって、ええい、続けて演奏しちゃえってことになったのか?最初が、きっちりとした変則リズムのフレージングをバッキングにしたパターン、次にハードエッジのパターン。ハードエッジパターンになると、前半で耳慣れたフレージングがより迫力を持って迫ってくるため、あらかじめ考え尽くされた構成だったかも知れない。そして、何よりもこのアルバムの魅力は、アルバム全体に満ちている「勢い」だ。
"Still Life"は、(あくまで私の感想だが)名曲"Still Life"を擁しているとはいえ、私の中ではかなり落ちる。1曲目は("Godbluff"セッションで録音されたせいもあるが)前作の勢いのある佳曲、後奏ででベースペダルが一瞬下降音階を奏でるところは、いつ聴いてもゾクゾクする。しかし、3曲目以降はどうも、リフといいフレージングといい、構成といい、(個人的には)しっくりこない。気負いすぎの感がする。
2位に入れた"World Record"については、発売されてから。
PS.今回、デヴィッド(サックス)とヒュー(オルガン)についてちょっと語ったので、ガイ(ドラムス)についても一言。ライブアルバム"Vital"の"Still Life"の間奏で、普通、ドラムが遊びを入れる場合、ダカダカダカダカ・ジャーンのジャーンは普通、小節頭になるのだが、彼は、小節頭1拍まで"ダカ"を入れて、2拍目でジャーンとやるのだ。初めて聴いたときは、その異様な効果に、目から鱗であった。