キング・クリムゾン「ライヴ・アット・オルフェウム」(2015)(未聴)
キングクリムゾンが来日するというニュースを見て、再々々々結成(々の数はこれで合っているんだろうか)されている事を知った(汗)で、慌ててこのCDを購入。
90年代に「ダブル・トリオ」という編成で、ファンの土肝を抜いたフリップ翁であるが、今回は「トリプル・ドラム」かつドラムをフロントに置くという奇策(?)
しかし、ギター&ボーカルが、80年代以降のクリムゾンを支えたエイドリアン・ブリューではなく、お懐かしユニット"21ST Century Schizoid Band"のジャッコ・M・ジャクジック、さらに旧クリムゾンのサックス奏者・メル・コリンズとなると、フリップ翁の意図がいまいちわからない。
1974年の最初の解散の時、初代サックスのイアン・マクドナルドをゲストに迎えた「レッド」で、フリップ翁以外のメンバーは、このままイアン・マクドナルドを正式参加させて、バンドの存続を考えていたが、フリップ翁は断固としてクリムゾンを解散した。
「太陽と戦慄」以降の路線に、それ以前の路線の色を若干加えたのが「レッド」であったから、これ以上古い路線を混ぜた方向を打ち出したくなかったのだろう、と個人的には思っていた。
なので、今の時期、ある意味古い路線を混ぜたような今回のラインナップにには首を傾げざるを得ない。
演奏されている曲も
「再び赤い悪夢」「レターズ」「船乗りの話」「スターレス」
等、ほとんどが70年代の曲である。
もしかして「レッド」後の解散の理由は、古い路線を混ぜたくなかったのではなく、1stクリムゾンの実質上のリーダーだったイアン・マクドナルドの参加によって、バンドの主導権を握られるのを恐れてのことだったのか?
2ndの「ポセイドンのめざめ」の収録曲は、すべて「作詞:シンフィールド 作曲:フリップ」であるが、ほとんどの曲は、1stのメンバーでのライブで演奏されている。
マクドナルドやジャイルズが脱退する際の条件で、共作の曲もフリップの単独作曲になったらしい。その後、発掘音源が数多く発売される事になった折、1stのメンバーでライブで演奏されている 2nd の曲は、別名で収録され、本当の作曲者がクレジットされる契約が結ばれた。例えば「冷たい街の情景」は「ア・マン・ア・シティ」のタイトルになり、作曲者はメンバー全員になっている。
ツアーに疲れて脱退したマクドナルド&ジャイルズ、EL&P結成に動いたグレック・レイク、彼らに置き去りにされたフリップは当時途方に暮れたであろう。そこらへんがトラウマになって作曲者の権利とか、バンドの主導権にはうるさくなったのかもしれない。
うーん、なんか何を書きたいのかよくわからないままだらだらと書いているが、このアルバムをまだ聴いてないんだよなあ(笑)