Voice of The Heart(1983)

Carpenters
カレンの死後、リチャードがそれまでのアウトテイクをまとめたもの。1982年に新作用に吹き込まれた"Now"をはじめ、いわゆるアルバム収録候補としてカレンが吹き込んだ仮歌バック演奏とバックコーラスが加えられている。ゆえに、ほとんどの曲でバックコーラスはカレンとリチャードの声では無いのがちょっと違和感。
興味深いのはカレンのソロに収録されている"Make Believe It's Your First Time"が、カーペンターズバージョンとして収録されている事。ソロの歌部分を流用しているのではなく、たぶんソロ以前に吹き込まれた仮歌を元にしている。その証拠にキーが低い。リチャードは、カレンに合った低めのキーで歌わせ、ソロではカレンがそれまでのイメージを払拭したいがために、本来のキーより高めに歌っていたのだという事がよくわかる。
全体にミドルテンポの落ち着いた曲が多く、いつもは何曲か入っているアップテンポの軽やかな曲が無いのが寂しいが、いわば「白鳥の歌」の性格上、これでいいのかもしれない。