伯爵夫人は超能力(1975)

ドロシー・ギルマン
先日「おばちゃまシリーズ」を古本屋で漁り、無かったものはア○ゾン・ユーズドで注文したが、新しい古本屋の存在を忘れていて、そこに行ってみたらごっそりあったので、失敗した。やはりユーズドに頼んでしまった「伯爵夫人は超能力」もあって、我慢できなくて重複覚悟で買ってしまった(自爆)
「おばちゃまシリーズ」はユーズドが来るまで中断して、こちらを先に読む
主人公は(伯爵夫人は肩書きだけで慎ましやかな生活をしている)作中では「千里眼」と表現されているが、いわゆるサイコメトリー能力+予知能力で、ある警部補の捜査に(結果的に)協力して事件を解決する(事件だけではないが)ミステリーともSFともつかない不思議な作品。
はじめ章立ての無い連作短編かと思ったが、前半の各章の登場人物や伏線が話が進むにつれてからみ合ってくるさまは圧巻。
個人的にはニューエイジ的な啓蒙書ととらえるのも可能かと思った。(作者の意図はそっちかも)
ネット上の感想を見ても、そこらへんに気づいている人がいなさそうなのがちょっと残念。
思えば、「スパイ」と名のつく本には全く興味の無かった私が、クリスティの初期サスペンスを読んで、悪くないかもと思い、ロッティ♪ 様のおかげで「おばちゃまシリーズ」を読むことが出来た。そして「おばちゃまシリーズ」を読まなければこの本を読むことも無かったであろう。世の中うまく出来ているものだ。
ちなみに、作者はシリーズ物以外にもけっこう作品があり(もともと児童文学作家だった)その根底にはある意味ニューエイジ的なものが(押し付けがましくなく)ひそんでいるらしいので、いずれ読んでみたいと思う。