モーツァルト ピアノ協奏曲第9番

シューリヒト指揮 シュトゥットガルト放送交響楽団(1952)
ピアノ クララ・ハスキル
シューリヒトの発掘音源シリーズである。
オケのトゥッティとピアノが掛け合いをやるという、当時としては斬新な導入部を持つこの曲は、モーツァルトのピアノ協奏曲の中でも最も好きな曲のひとつである。
さてその第1楽章だが、シューリヒトにしては、いやに重たく、このテンポはピアニストの要望なのかと思いきや、ピアノが始まるとピアニストは速いテンポを望んでいるようで、ちょっと理解に苦しむ。第2楽章、第3楽章との対比を狙ったのかも知れないが、第1楽章は軽やかでいいのでは?
しかし、演奏自体は素晴らしい。第2楽章の悲壮感あふれる荘厳さ、第3楽章の軽やかさ、愛らしさ、すべて見事。