新旧「虹の谷のアン」その3

やっと全部読み終わったが、照らし合わせて読み比べるのが、こんなにしんどいとは思わなかった(笑)
今までの経緯はこちらこちら
旧版で割愛されているのは、まずは村の出来ごとや噂話。
「ゴシップさまざま」とう章があるが、昔からちっともゴシップが書かれていない、と疑問だったが、新装版ではちゃんとさまざまなゴシップが書かれていた(笑)
あと、登場人物の内面の描写も割愛されているのはやはり物足りない。
メレディス牧師とローズマリーの出会いの様子もばっさりカットしてある。
実は原ちえこの漫画版「虹の谷のアン」ではここのくだりがあって、当時は(旧版に無いシーンだから)原ちえこの創作かしら、等と思っていたが、村岡花子以外の翻訳で全編を読んでいたに違いない。(表紙には、村岡花子訳とかいてあるんだが)
しかし、何と言っても一番大きいのはメレディス牧師の長女、フェイスの靴下事件がまるまるカットされていること、こんなエピソードがあったとは。
等々、挙げていけばきりがないのでこのぐらいにするが、全体のストーリーに影響はないものの、旧版は乱暴な言い方をすれば単なるあらすじにすぎない印象さえ受ける。(確かに以前からシリーズ中「虹の谷のアン」だけ、なんか毛色が違う気がしてたんだけどね)
個人的には今後も「赤毛のアン・シリーズ」村岡花子訳以外は、現在刊行中(今後も出るのかどうかわからないが)松本侑子訳しか買うつもりが無かったので、この新装版を買わなければ、真の「虹の谷のアン」を知らずにいたかもしれない・・・・想像するだに恐ろしい(笑)
万が一、アン・シリーズのファンで「虹の谷のアン」を旧版でしか読んだことがない人がいたら、是非新装版を読まれることをお勧めする。