レヴァインのワーグナー「パルジファル」

ワーグナーパルジファル

レヴァイン指揮 バイロイト祝祭管弦楽団(1985)
アンフォルタス:サイモン・エステス
ティトゥレル:マッティ・サルミネン
グルネマンツ:ハンス・ゾーティン
パルジファル:ペーター・ホフマン
クリングゾール:フランツ・マツーラ
クンドリー:ヴァルトラウト・マイアー
第1の聖杯騎士:ミヒャエル・バプスト
第2の聖杯騎士:マティアス・ヘレ
第1の小姓:ルートヒルト・エンゲルト・エリー
第2の小姓:ザビーネ・フエス
第3の小姓:ヘルムート・ハンプフ
第4の小姓:ペーター・マウス
花の乙女:デボラ・サスーン
花の乙女:スーザン・ロバーツ
花の乙女:モニカ・シュミット
花の乙女:アリソン・ブラウナー
花の乙女:ヒルデ・ライトラント
花の乙女:マルギッテ・ノイバウアー
アルト独唱:ルートヒルト・エンゲルト・エリー
バイロイト・BOXである。
以前どこかで書いたはずだが、レヴァインパルジファルは1992年のメト盤のLDを持っているのだが、ただ単に遅いだけの印象があったので、このバイロイト盤もスルーするつもりだったのだが、パルジファルがホフマンなので、聴かないわけにはいかなくなった。
しかし本当に遅い。例えばクナの正規盤(1962)は前奏曲が約12分、全体で4時間10分。最も遅い1951年盤で前奏曲が14分、全体で4時間32分。これに対してこのレヴァインバイロイト盤は前奏曲が16分半、全体で4時間40分である。
そして何より重要なのは、クナの場合遅くても遅さを感じさせないのだが
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/20110121/p1
レヴァインはただ無策に無意味に遅いのだ。本当かどうか知らないが、レヴァインは「パルジファル」を振りたくなかったという情報もある。そんなやつに振ってほしくなかったなあ。オケのボリュームがでかすぎて歌手の声が聴こえない部分があるのも興をそぐ。
さて、今回目的のホフマンであるが、パルジファルを歌うには神々しすぎる気がしてちょっと違和感が残った。つまり歌唱としては最高ということ。
あとは、グルネマンツのゾーティンが際立っている。

漫画版「剣客商売」第25巻について

大島やすいち版の「剣客商売」は24巻が原作の第15巻「二十番勝負」で、原作は残すところ最終巻の「浮沈」の分しか無い。だからけっこう覚悟して第25巻を買ったのだが・・・・
タイトルが耳慣れないものばかり。池波正太郎大島やすいちの他に脚色として何人かの名前が掲載されている。コミックス版の隅から隅まで確認したが、それ以上の情報が全くない。
ネットで調べて調べて、やっと、池波正太郎の「剣客商売」とは無関係の短編を「剣客商売」としての物語として脚色したものを漫画化したものと判明。それも原作と漫画化された際のタイトルが微妙に違うので、調べるのに苦労した。(原作が読みたくなった時のために)
まず第1に、こんな重要な事をなぜ本の中に明記しないのか。
第2に、まもなく終わってしまうであろう「剣客商売」の物語を、編集側の都合で引き延ばしていいのだろうか。(もちろん、池波正太郎の遺族の許可は得ているのだろうが)
確かに、漫画版ももうすぐ終わってしまう、という寂しさもあるし、池波作品の漫画化作品をより多く読める、ということは、ファンにとっては良いことなのであろう。
(密かにファンである手裏剣お秀がらみの作品があるのもうれしい事はうれしい)
しかし、それを前提としても、あえて言いたい。これは、いかがなものか、と。

ちなみに私が調べた 漫画版タイトル 原作タイトル 収録文庫名は以下のとおり。ただし間違っている可能性もあるので、その点はご容赦。

「一羽流秘伝書」「剣法一羽流」「剣法一羽流」
「その顔」「顔」「熊田十兵衛の仇討ち」
「野良犬と橙」「番犬(いぬ)の平九郎」「抜討ち半九郎」
「本懐の果て」「逆転」「仇討群像」

ヴァルヴィーゾのワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」

ワーグナーニュルンベルクのマイスタージンガー
ヴァルヴィーゾ指揮 バイロイト祝祭管弦楽団(1974)
ザックス:カール・リッダーブッシュ
ヴァルター:ジーン・コックス
ポーグナー:ハンス・ゾーティン
フォーゲルゲザング:ヘリベルト・シュタインバッハ
ナハティガル:ヨゼフ・デネー
ベックメッサー:クラウス・ヒルテ
コートナー:ゲルト・ニーンシュテット
ツォルン:ローベルト・リッヒャ
アイスリンガー:ヴォルフ・アッペル
モーザー:ノルベルト・オルト
オルテル:ハインツ・フェルトホフ
シュヴァルツ:ハルトムーツ・バウエル
フォルツ:ニコラウス・ヒルデブラント
ダーフィト:フリーダ・シュトリッガー
エーファ:ハンネローレ・ボーデ
マグダレーネ:アンナ・レイノルズ
夜警:ベルント・ヴァイクル
バイロイト・BOXである。
今まで知らなかったが、ヴァルヴィーゾは、クレメンス・クラウスに師事したスイス人の指揮者で、このバイロイトの「マイスタージンガー」が名演として名高いそうだ。
確かに、速めのテンポのすっきりした演奏は師匠のクラウス譲りだが、決して軽すぎず、そこら辺が絶妙のバランスを保っている。これはステレオであることを考えると、標準盤として十分推せるし、終わった後の観客の熱狂ぶりがこの演奏の素晴らしさを伝えている。
以前、この曲は聴く前と聴いた後は長いと感じるが、聴いている最中は気持ちいい、と書いたことがあった。勿論、ワーグナーの作曲技術が円熟の域に達した時期だ、ということもあるのだが、実は対位法的に実に充実している。なので対位法好きな私が気持ちいい。そんなことを改めて気づかせてくれる演奏でもある。
他のヴァルヴィーゾも聴きたくなってくるのだが、彼は、あまり録音が多くない。
しかし、大好きな「ばらの騎士」が3種ある。以前「クレスパンの「ばらの騎士」」という記事
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/20111116/1321387334
で書いたのが正規盤なのだが、これは最初から抜粋盤として録音されたもので、近年復刻したとのこと。ステレオ初期には長いオペラはLPだと枚数が多くなるので、気軽に買える、そして、とりあえず買ってもらってオペラファンの間口を広げる目的で、こういう抜粋盤がはやったようだ。前の記事で男爵不明と書いたが、収録されている場面に男爵がいないせいだったのだ。これは欲しいな。
そして発掘音源系がさらに2種、そのうち1959年盤が入手可能なので、これもいつか聴いてみたい。

EMI ワーグナー オペラ・ボックス(The Great Operas Wagner)

EMI ワーグナー オペラ・ボックス(The Great Operas Wagner)
バイロイト・BOXで、サヴァリッシュがあまりに良かったので、サヴァリッシュの「指環」も聴きたくなった。単独で買う手もあったが、サヴァリッシュの「指環」を収録したBOXセットを発見したので購入する事にした。
ハイティンクの「タンホイザー」はかぶるが、今まで聴いた事のなかった「リエンツィ」(ホルライザー指揮)クレンペラーの「さまよえるオランダ人」ケンペの「ローエングリン」パッパーノの「トリスタンとイゾルデ」グッドールの「パルジファル」と、興味深々の演奏ぞろいである。
ニュルンベルクのマイスタージンガー」はカラヤンではあるが、彼の演奏はたぶん進んで買う事はないので、こういうBOXに収録されていなければ聴く機会がないので、これはこれでありがたい。(「神々の黄昏」はいつか買おうかと思っているが)