漫画版「剣客商売」第25巻について

大島やすいち版の「剣客商売」は24巻が原作の第15巻「二十番勝負」で、原作は残すところ最終巻の「浮沈」の分しか無い。だからけっこう覚悟して第25巻を買ったのだが・・・・
タイトルが耳慣れないものばかり。池波正太郎大島やすいちの他に脚色として何人かの名前が掲載されている。コミックス版の隅から隅まで確認したが、それ以上の情報が全くない。
ネットで調べて調べて、やっと、池波正太郎の「剣客商売」とは無関係の短編を「剣客商売」としての物語として脚色したものを漫画化したものと判明。それも原作と漫画化された際のタイトルが微妙に違うので、調べるのに苦労した。(原作が読みたくなった時のために)
まず第1に、こんな重要な事をなぜ本の中に明記しないのか。
第2に、まもなく終わってしまうであろう「剣客商売」の物語を、編集側の都合で引き延ばしていいのだろうか。(もちろん、池波正太郎の遺族の許可は得ているのだろうが)
確かに、漫画版ももうすぐ終わってしまう、という寂しさもあるし、池波作品の漫画化作品をより多く読める、ということは、ファンにとっては良いことなのであろう。
(密かにファンである手裏剣お秀がらみの作品があるのもうれしい事はうれしい)
しかし、それを前提としても、あえて言いたい。これは、いかがなものか、と。

ちなみに私が調べた 漫画版タイトル 原作タイトル 収録文庫名は以下のとおり。ただし間違っている可能性もあるので、その点はご容赦。

「一羽流秘伝書」「剣法一羽流」「剣法一羽流」
「その顔」「顔」「熊田十兵衛の仇討ち」
「野良犬と橙」「番犬(いぬ)の平九郎」「抜討ち半九郎」
「本懐の果て」「逆転」「仇討群像」