ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
ヴァルヴィーゾ指揮 バイロイト祝祭管弦楽団(1974)
ザックス:カール・リッダーブッシュ
ヴァルター:ジーン・コックス
ポーグナー:ハンス・ゾーティン
フォーゲルゲザング:ヘリベルト・シュタインバッハ
ナハティガル:ヨゼフ・デネー
ベックメッサー:クラウス・ヒルテ
コートナー:ゲルト・ニーンシュテット
ツォルン:ローベルト・リッヒャ
アイスリンガー:ヴォルフ・アッペル
モーザー:ノルベルト・オルト
オルテル:ハインツ・フェルトホフ
シュヴァルツ:ハルトムーツ・バウエル
フォルツ:ニコラウス・ヒルデブラント
ダーフィト:フリーダ・シュトリッガー
エーファ:ハンネローレ・ボーデ
マグダレーネ:アンナ・レイノルズ
夜警:ベルント・ヴァイクル
バイロイト・BOXである。
今まで知らなかったが、ヴァルヴィーゾは、クレメンス・クラウスに師事したスイス人の指揮者で、このバイロイトの「マイスタージンガー」が名演として名高いそうだ。
確かに、速めのテンポのすっきりした演奏は師匠のクラウス譲りだが、決して軽すぎず、そこら辺が絶妙のバランスを保っている。これはステレオであることを考えると、標準盤として十分推せるし、終わった後の観客の熱狂ぶりがこの演奏の素晴らしさを伝えている。
以前、この曲は聴く前と聴いた後は長いと感じるが、聴いている最中は気持ちいい、と書いたことがあった。勿論、ワーグナーの作曲技術が円熟の域に達した時期だ、ということもあるのだが、実は対位法的に実に充実している。なので対位法好きな私が気持ちいい。そんなことを改めて気づかせてくれる演奏でもある。
他のヴァルヴィーゾも聴きたくなってくるのだが、彼は、あまり録音が多くない。
しかし、大好きな「ばらの騎士」が3種ある。以前「クレスパンの「ばらの騎士」」という記事
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/20111116/1321387334
で書いたのが正規盤なのだが、これは最初から抜粋盤として録音されたもので、近年復刻したとのこと。ステレオ初期には長いオペラはLPだと枚数が多くなるので、気軽に買える、そして、とりあえず買ってもらってオペラファンの間口を広げる目的で、こういう抜粋盤がはやったようだ。前の記事で男爵不明と書いたが、収録されている場面に男爵がいないせいだったのだ。これは欲しいな。
そして発掘音源系がさらに2種、そのうち1959年盤が入手可能なので、これもいつか聴いてみたい。