トスカニーニのケルビーニ「レクィエム」

ケルビーニ「レクィエム ハ短調
トスカニーニ指揮 NBC交響楽団(1950)
ロバート・ショウ合唱団
トスカニーニBOXのベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」を聴いたのだが、ケルビーニの「レクィエム」も収録されていたので、その流れで聴く。

以下ウィキペディアより

ルイ16世の処刑を悼んで作曲された『レクイエム ハ短調』(1816年)は、非常に大きな成功をおさめた。この作品はベートーヴェンだけでなく、シューマンブラームスにも絶賛されている。ハンス・フォン・ビューローはこの作品を「モーツァルトのレクイエムよりも優れている」と評価した。

『レクイエム ハ短調』を現代に復活させた中でも最も著名なのは、1950年2月にトスカニーニが指揮したNBC交響楽団の録音である


ケルビーニは「メデア」しか聴いた事がなかったが、ソリスト無しの合唱のみで、派手さは無いが実に真摯で味わい深い、心に染み入る音楽である。勿論、トスカニーニの指揮によるところも大きいと思う。
ちなみに世に言う三大レクイエムは、モーツァルトヴェルディフォーレであるが、これにベルリオーズ、ケルビーニを加えて五大レクイエムというそうな。

トスカニーニのベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」

ベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」
トスカニーニ指揮 NBC交響楽団(1953)
ロイス・マーシャル(Sp)
ナン・メリマン(Ms)
ユージン・コンリー(T)
ジェローム・ハインズ(Bs)
ロバート・ショウ合唱団

クレンペラーは厳粛そのものといった演奏だったが、こちらは幾分柔らかみを持ち、テンポの緩急もきっちりつけてあるので、より耳に馴染みやすい演奏である。
モノラル末期なので、ステレオと遜色ないほど音はいいが、ソリスト、特に男声が奥に引っ込んでしまっておりバランスが悪いのが残念。

クレンペラーのベートーヴェン「荘厳ミサ曲」

ベートーヴェン「荘厳ミサ曲」
クレンペラー指揮 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(1965)
エリザベート・ゼーダーシュトレーム:ソプラノ
マルガ・ヘフゲン:アルト
ワルデマール・クメント:テノール
マルッティ・タルヴェラ:バス
モーツァルトの宗教曲をあらかた聴いたので、次となるとやはりベートーヴェンであるが、実はこの「ミサ・ソレムニス」と言う曲を、なぜか今まで一度も聴いた事がなかった。なぜだかは自分でもわからないが。で、名盤とされているクレンペラー盤を買った。
しかしまあ、なんと巨大な音楽であろうか。宗教音楽とか、古典派とか、ロマン派とかの範疇に入りきらない音楽に感じる。
ネット情報で、以下のような文を見つけたのだが

フルトヴェングラーは、若い頃は「ミサ・ソレムニス」を何度か演奏したらしいが、その後全く手を着けなかった。それは「この曲の偉大さは充分わかっているのに、何度やっても思ったようにいかない。うまくできないのに、それを演奏するのは作曲家に対して申し訳ないから」という理由だったらしい。

なんか納得。

他の指揮者でも聴いてみたいと思ったが、前述の通りフルトヴェングラー盤は無い。クナッパーツブッシュもシューリヒトも無い。食指が動く指揮者がいない・・・・
しかし!手元にあるトスカニーニBOXには1953年の録音がある。この2種でとりあえずはいいかな。

ムーティのモーツァルト「レクイエム」

モーツァルト「レクイエム」
ムーティ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1987)
パトシリア・パーチェ(ソプラノ)
ヴァルトラウド・マイヤー(メゾ・ソプラノ)
フランク・ロパード(テノール
ジェイムズ・モリス(バス)
スウェーデン放送合唱団

ムーティの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を聴くために「レクイエム」を購入。
ムーティは以前「カプレーティとモンテッキ」
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/20110720/1311105532
が、大変良かったのだが、どうも個人的に、1930~1940年代生まれの、いわゆるスター指揮者という人々を好んで聴く気にならない。さらにイタリア人ということで(勝手な)先入観もある。
しかし、大変流麗ながら宗教音楽としての気品や重さを失わない、という演奏で、さすがに名盤と言われるだけのことはある、と思った。
ソリストであるが、マイヤーとモリスは知っていたが、寡聞ながらパーチェとロパードを知らなかったが、これがまた素晴らしい。
ロパードは、ペーター・シュライヤーをもっとマイルドにした感じ、パーチェは凛とした高音を持ちながらも可憐な雰囲気。
他にも聴いてみたいと思って調べたが、あまり録音が無く、さらに食指が動くものがなかったのが残念。