おんな城主直虎 吹越満と高橋一生の話

最近気づいたことがある。
前提として、吹越満高橋一生小野政直小野政次という親子の役で、今川家よりの目付という井伊家にとっては獅子身中の虫でありながら、自分は一切悪いことはしていない、としれっとした顔をしなければならない役どころである。
そして、柴咲コウの直虎、井伊直親三浦春馬高橋一生小野政次は幼馴染、ということで気心も知れていて思いは井伊家にあるので、幼いころは父に対する反発心を隠しながら成長してきている。
しかしそれをさすがに父政直は見抜いている。彼はドラマの早い段階で病死するのだが、その前に成長した息子政次に対し
「己はこうはならぬ、と。わしをずっと蔑んでおる」
「じゃがな、お前は必ずわしと同じ道をたどるぞ」
と言い放つ。
そして今、まさに父と同じ道をたどっている政次なのであるが、時折父政直を演じた吹越満と同じ表情の作り方をしているのである。
つまり、それで、先ほどのセリフが伏線として生きてきているのである。そこまで考えていて演技をしているのなら高橋一生恐るべし!
史実上、もうそろそろ小野政次は死んでしまうはずだ。それは絶対動かせないのであるが、やはり寂しい。

クーベリックのモーツァルト「ハフナー・セレナーデ」

モーツァルト セレナード 第7番 ニ長調「ハフナー」

クーベリック指揮 バイエルン放送交響楽団(1964)

クーベリックの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を聴きたくて買ったら2CDセットで「ハフナー・セレナーデ」がついてきた。
この曲は、だいぶ前にコープマンで買っていたのだが、正直ピンと来ていなかった。
今回クーベリックで聴いてみて、その速いテンポにびっくりした。第1楽章だけ比べてもクーベリックが 6:40 コープマンが 9;45 である。
しかし、この早いテンポでやっとこの曲の魅力がわかった気がする。コープマンの演奏は、速い演奏を聴いてから、ゆったりしたテンポのバージョンとして楽しむものだったのだ。
さらに驚くのは、クーベリックの音作りで、実は勝手に、この人はロマンティックな音作りをする人だと思い込んでいたのだが、古楽器演奏も真っ青の、実にすっきりした演奏で、個人的には名演ではないかと思う。

フォルスターのモーツァルト 宗教曲

モーツァルト
エクスルターテ・イウビラーテ
オッフェルトリウム(奉納唱)「たたえられてあれ,父なる神と」
ヴェスプレ
フォルスター指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1956)
エルナ・ベルガー(s)
マルガ・ヘフゲン(a)
ホルスト・ヴィルヘルム(t)
フェルディナント・フランツ(b)
モーツァルトの宗教曲が続いたので、「栄光のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団その名指揮者たち(12)」
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2017/02/21/045520
モーツァルトの分を聴く。
このCD、ケースに記載されているソリストの文字が、曲名や指揮者よりかなり小さくて、歳のせいかぱっと見わからなかったので気にせずに聴き始めた。
あれ?このソプラノ、聴き覚えがある声だ、と思って目を凝らしたら、まさかのエルナ・ベルガーであった!
フォルスターは勿論良いのだが、このエルナ・ベルガーだけでも往年のオペラ歌手ファンは聴く価値がある。
さらに、現在この録音は、この日本のみの企画盤でしか聴けない(はず)なのでさらに貴重。

ハーゼルベックのモーツァルト宗教曲 その2 他

モーツァルト
葬送音楽『受難カンタータ』K.42
マルティン・ハーゼルベック指揮 ウィーン・アカデミー合奏団、コンチェントゥス・ヴォカリス(1990)
イーディス・ウィーンズ(ソプラノ)
トーマス・ハンプソン(バス)

カンタータ『悔悟するダヴィデ』K.469
ヴィルフリート・フィッシャー指揮、テュービンゲン大学コレギウム・ムジクム
ゲルトラウト・ラントヴェール=ヘルマン(ソプラノ)
ズザンネ・ジョーンズ(ソプラノ)
ヘルマン・フィッシャー(テノール
 
モーツァルト170CDの宗教音楽はこれで終了であるが、最後の最後にきて「悔悟するダヴィデ」がやたらいい曲でびっくりしたが、どこかで聴いたことがあると思って調べてみたら、なんと未完成に終わったハ短調ミサ曲の改作だというではないか。

「「ハ短調ミサ曲」前半のキリエ~グロリア部分に2曲のソロ・アリアを加えたもの」

とのこと。そんな曲があったなんて。

ハーゼルベックのモーツァルト宗教曲 その1

モーツァルト
カンタータ『われらが喜びを高らかに告げ』K.623
今日ぞ泣かん 愛する兄弟よK.483、おお 聖なる絆K.148、結社員の旅K.468
汝 われらが新しき指導者よK.484、カンタータフリーメイソンの喜び』K.471
フリーメイソンのための葬送音楽K.477
カンタータ『無限なる宇宙の創造者を崇敬する汝らが』K.619
カンタータ『汝、宇宙の魂に』K.429

マルティン・ハーゼルベック指揮 ウィーン・アカデミー合奏団、コルス・ヴィエネンシス(1991)
クリストフ・プレガルディエン(テノール
ヘルムート・ヴィルトハーバー(テノール
ゴットフリート・ホーニク(バス)
ペーター・シュナイダー(バス)

モーツァルト170CDである