「のだめ」の話

「のだめ」の話である。原作付きのドラマであるから、1週1週クライマックスを作らねばならないし、終わりまでにはある程度話を進めなければならない。当然のことながら、原作からの取捨選択、設定の変更、デフォルメ等が行われる。それにもかかわらす、「原作どおり!」と感じてしまうのは、原作の意向に沿った形で、それらが行われているからで、よほど脚本家の腕がいいのだろう。大概は脚本家が自分の個性を出そうとして、原作を台無しにするケースが多いのである。その点「のだめ」は脚本家に恵まれたと言える。
例のSオケが本番で振り付けをやるシーンは、のだめではないが、私もうるうるきてしまった。
PS.玉木君は肉体的な魅力が抜群である。太い首と広い肩幅、背中の筋肉。男が見ても惚れ惚れする。最初はどうかと思ったが、今回のキャスティングは大成功だったと言える。もちろん他のメンツも含めて。久々に手放しでいいドラマと言えるドラマに出会った。

ベートーヴェン 交響曲第7番

フリッチャイ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1961)
別に、のだめつながりと言うわけではないのだが、フリッチャイのベト7.
これも最晩年の録音で、テンポは遅い。が毎度のことで恐縮だが、実に丁寧な音作りでバランス感覚が抜群である。切ったら血が出るような演奏と言うのはこういうことかもしれない。一瞬一瞬が鼓動に脈づいているいるかのようである。こういう演奏を聴くとステレオに間に合わなかった巨匠たちの思いがフリッチャイに乗り移っているのではないか等と考えてしまう(つまりは、ある意味古いスタイル、1961年だから)しかし、古いスタイル大好き人間なので、上記のような、かつての巨匠がステレオに間に合ったら!という感想になるわけだ。
誤解を招く言い方かもしれないが、音楽をじっくり堪能したければフリッチャイ、躍動感にただただ興奮したければクライバー古楽器の雅な響きを楽しみたければ、コレギウム・アウレウムということで。

映画のワンシーンに

うちの会社は山の林の中にある。バブル期に県だか市だかが土地を安く提供し、多数のコンピューター会社を誘致し、そこをITエリアにしようとの目論見だった。
それはさておき紅葉真っ盛りである。喫煙所の中庭で、そよ風がきっかけで、スローモーションのように、はらはらと木の葉が落ちてくる。まるで自分が映画のワンシーンに入り込んだようであった。