Gilgamesh(1975)

GILGAMESH
ブラックモアズ・ナイトを我慢して、のちにハットフィールドと合流してナショナルヘルスを結成するギルガメッシュの1st。構成メンバーがすべてジャズ・ミュージシャン出身ということで、もしかして小難しい音楽かと思いきや、意外に抜けのいい聴きやすいサウンド。勿論緻密な構成で、変拍子リフの複雑な曲が多いが、どこか明るく透き通った青空を感じさせる。予想よりカンタベリー色は少なく、どちらかと言えばプログレ色が強い。変拍子リフは、マハビシュヌかクリムゾンを思わせるアグレッシブさだが、優美な楽想もたっぷりある。超絶テクは確かだが、複雑な曲をきっちりやるテクに加えて、インタープレイや、例えばギターのソロのバッキングでの絶妙のオブリガード等に各メンバーがテクを使っているという、私好みのテクの使い方である。PS.女性ボーカルが入るところが唯一ハットフィールドっぽい。
こうやって、昔は聴かなかったカンタベリー系やジャズロックを聴くようになると、ほんとにまだまだ知らない世界が広がっているのだなあ、と改めて思う今日この頃。あとは、なんとか、ヘンリー・カウ、スラップ・ハッピーの前衛系、バンコ、アレア、レ・オルメのイタリアン・ロックまで行って、一息つきたいところ。