的川泰宣
コンビニで売っていたのでいわゆるワンコイン本であるが内容は読み応えがあった。
そもそも私が子供の頃の宇宙知識はせいぜい1960年代までのレベルなので、その後の宇宙物理学の発達は良く知らないので勉強になった。しかし発達すればするほど、逆に謎が増えてゆくような気もする。ダークマター?ダークエネルギー?なんじゃそりゃ。
しかし現時点での宇宙の誕生の最有力説が「粒子があらわれたり消えたりする「真空」空間さえも存在と非存在の間をゆらいでいる「無」からトンネル効果によりポロリと生まれた」というのは興味深い。まさに色即是空、物質や我々の体を成り立たせている粒子のなんと不確かで不安定なことよ。
この本には地球上の生命の歴史も載っているが、水中生物の中で優秀な(環境に適応できる)ものが魚になり、おちこぼれが陸上にあがった。類人猿のうち、優秀なものがゴリラやチンパンジーになって森林にとどまり、おちこぼれが平原においやられたことにより手や脳が発達して人類になった、という話はおもしろい。現代でも、社会に適応できないおちこぼれが得てしてのちの天才になったりするのである。