伯爵夫人は万華鏡(2002)

ドロシー・ギルマン
なんと27年ぶりの続編である(翻訳では3年ぶりだが)
27年たったが、作品の中では前作からほとんど時間は経過していない。
前作の冒頭で恋人との出会いを予言され、最後にその女性と出会えた警部補は、本作ではめでたく婚約中と相成った。
本当は10年ぐらい経っていて、彼らに子供でも出来ていて欲しかったが。ただし、時代背景は現代っぽい。
相変わらず、前半の一見無関係な伏線が後半でどんどん関係をもって編み上げられて言うさまは名人芸。
また、事件と同等に、救われゆく人々を扱っているのが、やはり実はニューエイジ系の啓蒙書という、私の意見があながち間違っていないことを示している気がする。
ネット上では、ただ「読みやすい」という意見が多いが、ちゃんと読んでるのかしら?と思ったりする。
読み終わると、これが2冊しかないのが寂しくてしょうがなくなる。
次はいつ出るのか、そもそも出るのか出ないのかわからないが(作者はもう80歳を超えている)いつかまた、この気持ちのいい登場人物たちに会いたいものだ。こんどこそ警部補には子供が、そして伯爵夫人には再婚相手がいる姿で。
PS.エミリ・ディキンスンが出てきて、ちょっとうれしかった。
PS2.こういうのを読んでしまうと「おばちゃまシリーズ」に素直に戻れないかも・・・・・