シューベルト 交響曲第8番「未完成」(1952)

フルトヴェングラー指揮 トリノ・イタリア放送管弦楽団
お年を召したクラシックファンの方は覚えておられるだろうが、アナログ時代は必ずと言っていいほど「運命」と「未完成」がカップリングされていたものだ。両曲ともLPの片面に巧く収まるし、最もポピュラーな曲だからだ。(勿論、こういうカップリングが両曲をポピュラーにしたとも言えるが)
で、アナログ時代、フルトヴェングラーのいろいろな「運命」を聴こうとすると、必然的に「未完成」付いてきたわけだ。
そんな中、マイクの位置なのか、そのときのフルトヴェングラーの指示なのか、木管が大きめに入っていて、本来デモーニッシュな指揮ぶりのフルヴェンの音作りが、いい感じに緩和されていた演奏があって、おぼろげながらイタリアのオケを指揮したものだと思っていたのでCDを買ってみた。
聴いて見ると、別に楽器間のバランスも普通なので、これではなかったようだ(汗)
しかし、フルヴェン節全開の、切れば血の出るような濃厚な「未完成」を楽しめた。
フルトヴェングラーの「未完成」は他にもいい音源があるようだが、私はとりあえずこれでOK。