ブルックナー 交響曲第5番

ティーレマン指揮 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(2004)
ティーレマンの、クナやチェリビダッケが名演を残したミュンヘン・フィルの常任指揮者就任披露演奏会のブル5である。
精緻な演奏はさすがにチェリビダッケに鍛えられたミュンヘン・フィルであるが(世代は変わったらしいが)テンポ設定の意図が今一よくわからない。静かな部分がやたら遅く、躍動感が必要な部分はそこそこ速いのだが、差が有りすぎて統一感が無い。第1楽章に限って言えば、躍動感が必要な部分が速くもなく遅くもなく、中庸というにはあまりに中途半端。そこそこ感動的ではあるのだが、聴いた後、どこかすっきりしない演奏だ。
口直しではないが、直後にクナのミュンヘン・フィル・ライブを聴いてしまう。さらに朝比奈さんの東京カテドラル(1980)を聴いてほっとする。