京伝怪異帖

高橋克彦
高橋さんの「江戸物」をまた読み返しているのだが、久々に読んでびっくりしたのが「春朗合わせ鏡」に登場した蘭陽が、こちらにも出ていたこと(こちら
田沼意次の配下とのことだから、まさに「春朗合わせ鏡」の蘭陽である。あわてて読み返してみたら、登場シーンで京伝と相棒の安兄い(俊満)の名がちゃんと出ているではないか!それも、俊満が春朗(の絵)を誉めていたというくだりは「京伝怪異帖」にしっかりあるのだ!いかに「京伝怪異帖」の内容を忘れていたかが分かる。
蘭陽を通して世界がつながっていたとは・・・・うーん、これを見落とすとはファンの風上にもおけんな(汗)
そういえば、「だましゑ歌麿」の冒頭には、京伝が寛政の改革で手鎖刑を受けたくだりもちゃんとあったのだから、実はこの作品は「京伝怪異帖」の続編にあたるかも・・・・と言うことは気づいてよさそうなものだったのだ(汗)

しかし、ここまでくるとこれまでの、『家光時代(17世紀)の「鬼九郎」、家治、家斉時代(18世紀)の「京伝」「だましゑ歌麿」、そして幕末(19世紀)の「完四郎」』のそれぞれの間にもシリーズを作って、蘭陽のような共通キャラを配して(アシモフファウンデーション+ロボットの統合のように)一大「裏江戸通史」シリーズを完成させて欲しい・・・・!なんてね。