「ポカホンタス」と「ポカホンタス2」

ディズニーアニメ「ポカホンタス」は、どうせ、白人優位主義の脚色がなされた作品だろう、と勝手に思ってまったく興味がなかったのだが、最近またインディアン関係をいろいろと調べていくうちに、このロマンスは関係者がすべて亡くなった後に(この映画のポカホンタスの相手である)ジョン・スミスが言い出したということを知った。
なんじゃい、元から嘘かい(笑)
カホンタス自身は、白人に都合のいい偶像とされ、別のイギリス人と結婚しイギリスへ渡り、アメリカへの帰国直前に亡くなった。23才ぐらいであろうという。
そこら辺の経緯が、「ポカホンタス2」としてやはりアニメ化されているのだが、これに対するレビューがあきれてしまった。
いわく、前作で感動したので、ジョン・スミスとのハッピー・エンドを期待したのに裏切られた、こんなひどい続編は無い、等々。
ロマンスは嘘とはいえ、別の男性と(捕虜からの解放の条件として)結婚してイギリスに渡ったのは事実だから、さすがにこれは変えようが無い。なのにこういうことを言うのは、ポカホンタスが実在の人物だと知らないんだろうか。
それ以前に、前作に感動するってのが、よくわからない。日本人は(自分たちも差別対象なのに)なんか自分達が白人であるかのような錯覚に陥って、ああいうアニメを見ているんだろうか。
それとも、ロマンティックであれば、史実も真実もどうでもいいんだろうか。
はなから、差別問題とか、植民地問題とか、そんなことが頭に無いんだろうか。
う〜んよくわからん。
あと、「ロマンスが事実であって欲しかった」という意見の人もいたが、いわく「彼女の目には知的なイギリス人が魅力的に映ったことだろう」・・・はあ!??
白人は、ポカホンタスを「キリスト教の洗礼をうけた高貴な蛮族」と言う身勝手な価値基準で持ち上げたのだけれど、他人の土地にことわり無くやってきて、略奪や虐殺を行うやからを「野蛮」とは言わないんだろうか。そんなスミスを知的に思うはずがないではないか。
そもそも彼女は白人を(ほぼ)初めて見たのである。黒船がやってきた時、江戸庶民は白人を赤鬼と表現したが、彼らの目にはそれほど異質で異様に映ったのである。「知的で魅力的」などというたわ言は、上記の「自分達が白人である」と言う錯覚か、想像力の無さの露呈以外の何ものでもない、
ちなみに、ポカホンタスとジョン・スミスと出会ったとされる年齢は、ポカホンタスが11才、ジョンは20代後半である。
これでロマンスって・・・・・・
ディズニーはこのアニメ制作にあたって、インディアンの各種団体に協力を求めたが、脚本を読んだ段階で、すべての団体に協力を断られたという。
上映後もさまざまな点で抗議の声があがったが、私がむべなるかな、と思ったのが、「インディアンの女性は、あんなに肌を露出しない。なぜならそれは神聖なものだから」という14歳の少女の意見。ハリウッドでは金をもうけるためなら、何族であろうと女性はセクシーでなければならないのだ・・・・(タメイキ)